猫の「トラウマ」になりかねないショックな出来事5選

1.大きな音や振動
雷や花火、工事の音、大きな物音など、突然の大きな音や予期せぬ振動は猫にとって大きなストレスとなります。聴覚が非常に敏感な猫は、人間には平気な音でもパニックに陥ることがあるので注意が必要です。
特に子猫の頃に強い恐怖を体験すると、その特定の音に対してだけでなく、類似した音に対しても常に怯えるようになってしまうことも。
これにより、物陰に隠れて出てこなくなる、震える、おびえるといった行動が見られるようになります。
2.来客や家族構成の変化
猫は縄張り意識が強く、慣れた環境とルーティンを好みます。そのため、知らない人が家に頻繁に来る、新しいペットや赤ちゃんを迎え入れる、家族が家を出る・戻るなど、家族構成が変化することは大きなストレス源です。
特に、新しいメンバーに警戒心を抱いたり、これまで受けていた愛情が減ったと感じたりすると、猫は不安を感じ、心に傷を負うことがあります。飼い主に対して不信感を感じることもあり、信頼関係が揺らいでしまう場合もあります。
3.怖い思いをした場所
動物病院、ペットホテル、キャリーバッグの中など、猫が過去に嫌な経験をした場所はトラウマの引き金になりやすいです。
注射や検査で痛い思いをしたり、慣れない場所で長時間過ごしたりした経験が、その場所や関連する物(キャリーバッグなど)に対する強い恐怖心として残ることがあります。
これにより、特定の場所に近づかなくなったり、キャリーバッグを見ただけで逃げ出したりするようになります。
4.病気やケガ
病気やケガによる痛みや不調は、猫の精神に大きな負担をかけます。特に、治療が長引いたり、入院したりするような場合は、心細さや不安から精神的なトラウマを負うことがあります。
また、痛みや不快感を伴う治療の記憶が、特定の部位に触られることへの恐怖や、飼い主に対する不信感につながることもあるようです。
5.無理なグルーミングや投薬
爪切りやブラッシング、シャンプー、投薬など、猫が嫌がるケアを無理やり行うこともトラウマの原因になることがあるので、気を付けなければなりません。
特に、無理に押さえつけられたり、強い力で拘束されたりすると、恐怖心から飼い主への信頼関係が崩れてしまうことも。
これにより、人が近づくだけで逃げる、触られるのを極端に嫌がるといった行動が見られるようになります。
「トラウマ」が原因で起こる問題行動とは

攻撃性が増す
トラウマを抱えた猫は、恐怖や不安から身を守ろうとして攻撃的になることがあります。特に、トラウマの原因となった人や物、またはその状況を連想させるものに対して、威嚇したり、噛みついたり、引っ掻いたりすることも。
これは、猫が「もう怖い思いはしたくない」というサインを送っている行動であり、警戒心や防衛本能が高まっている状態です。
トイレの失敗
猫はストレスを感じると、普段は完璧にできていたトイレを失敗することがあります。これは、安心できる場所ではないと感じていたり、マーキング行動で縄張りの安全を確かめようとしていたりするためです。
また、トイレの場所そのものがトラウマの原因(例えば、トイレで他の猫に襲われたなど)になっている可能性も考えられます。
過剰なグルーミング
ストレスを感じると、猫は気持ちを落ち着かせるために、グルーミングを過剰に行うことがあります。
本来、グルーミングは体を清潔に保つための行動ですが、これがエスカレートすると、同じ場所を執拗になめ続けることで皮膚炎や脱毛を引き起こすことがあります。この行動は、不安や緊張を紛らわせようとする自己鎮静行動の一種です。
食欲不振や過食
トラウマによるストレスは、食欲にも影響を及ぼします。不安や恐怖心が原因で食事をほとんど摂らなくなり、体重が減少してしまうことがあります。
一方で、ストレスを紛らわせるために過食になり、肥満につながるケースもあるようです。食欲の変化は猫の心の状態を測る重要なサインなので、注意深く観察するようにしましょう。
隠れて出てこなくなる
強い恐怖や不安を感じると、猫は安全だと感じる場所に隠れ、じっとして動かなくなることがあります。
これは、危険な状況から身を隠し、精神的な安全を確保しようとする行動です。トラウマを抱えた猫は、来客時だけでなく、普段の生活でも物陰や家具の隙間から出てこなくなるなど、引きこもりがちになる傾向が見られることもあります。
トラウマを抱えた猫への接し方と注意点

トラウマを抱えた猫には、まず何よりも安心できる環境を整えることが大切です。無理に触ったり、抱っこしたりせず、猫の方から近づいてくるのを待ちましょう。
安心できる隠れ家を用意し、猫が自分のペースで行動できるように配慮してください。猫が過去に怖い思いをした場所や物、音から遠ざけ、ポジティブな経験を少しずつ重ねさせてあげましょう。
愛情を注ぎ、猫のサインを理解し、根気強く寄り添うことで、猫は徐々に心を開いてくれます。
まとめ

猫は繊細で、些細な出来事でもトラウマを負うことがあります。その結果、問題行動が現れることも少なくありません。
猫の様子をよく観察し、心に傷を負っていないか日頃から注意を払うことが重要です。猫の気持ちに寄り添い、安心できる環境を整え、信頼関係を再構築することで、心の傷を癒してあげましょう。