『猫のしっぽ』は全部で8種類!!

猫のしっぽに注目してみてください。長いしっぽもあれば、まるでお団子のようなしっぽまで様々な形がありますよね。
実は、猫のしっぽを正式に分類すると8種類もあるのです。今回は、思わず誰かに話したくなるしっぽの名称にまつわる雑学をたっぷりお届けいたします。
1.フルテイル

最も一般的なしっぽのことで、日本では『長尾』と呼ばれることがあります。
長さはおよそ25cm〜30cmほどで、まっすぐ伸びていることが最大の特徴です。
かつては京都府や福井県に暮らす猫に多い傾向にありましたが、現代ではその他の地域でも見かける頻度が多くなりました。
ちなみにしっぽの長さを誇る猫種の代表は、アビシニアン・シャム・メインクーンなどです。アメリカに住むメインクーンは実際に44.66cmというギネス記録を持っています。
2.エアリアルカールドテイル

しっぽが空中でカールしているタイプを『エアリアル(空中)カールドテイル』と呼びます。長さはフルテイルと同等、もしくはそれ以上になることもあります。
サイベリアンフォレストキャットのしっぽは太くて長く、よく先端が上を向いています。
3.フランクカールドテイル
先ほどのエアリアルカールドテイルよりもしっぽの先端が下にくるしっぽのことで、脇腹方向に垂れ下がっていることが特徴です。
ちなみに『フランク』は英語で脇腹を指す言葉です。脇腹に向かってカールしているものはこのタイプになります。
4.フラットトゥバックテイル
しっぽの付け根が折れ曲がり、背中に沿うように前方に伸びたしっぽのことです。
カールドテイルのようなクルンとした印象ではなく、モールを曲げたときのような風貌を想像してみてください。
5.キンクドテイル

いわゆる『鍵しっぽ』のこと。『尾曲がり猫』とも呼ばれています。主な要因は遺伝によるもので、尾椎の一部が癒合して曲がることによって発生します。
その発現頻度は雑種に多く、長い鍵しっぽもあれば短いものもあるのが特徴です。ちなみに、長崎県で暮らす猫の8割以上はこのタイプのしっぽを持っています。
町ぐるみで大切に育てられ、天候に恵まれればそこかしこで出会うことができるでしょう。『尾曲がり猫』をモチーフとしたグッズを販売するお店や、『尾曲がり猫神社』なるスポットがあるほどです。
6.コークスクリューテイル
いわゆる巻き尾のことで、豚のしっぽを彷彿とさせることから『ピギーテイル』とも呼ばれています。
7.ボブテイル

ジャパニーズボブテイルやアメリカンボブテイルに代表されるしっぽのこと。お団子のように見えることから『お団子しっぽ』とも呼ばれています。
江戸時代の日本はこのタイプの猫の評判が高く、意図的にボブテイルの繁殖がなされていました。その理由は『猫又』を恐れてのことだったようで、ちょっぴりユニークな伝承が残されています。
内容は"長いしっぽを持つ猫はやがてしっぽが二股に割れ猫又へとなり、人を食う存在になりかねない"というもの。猫自体は愛されていたものの、相当の不安があったことが見て取れます。
やがてそのような噂は消え去り、フルテイルの猫が一般的になりました。
8.ランピーマンクス

ボブテイルよりも更に短いしっぽ、ほぼ無尾に近いしっぽのことを『ランピーマンクス』といいます。『ランピー』の愛称でも親しまれています。
ランピーのようなしっぽには『T-Box』という遺伝子が、ボブテイルの場合は『HES7遺伝子』という遺伝子が関与することで誕生することが明らかになっています。そして、未だかつて解明されていない『第3の遺伝子』も関係があると示唆されています。
しっぽは全力疾走中の方向転換や塀の上を歩く際のバランス、落下時のスピードコントロールなどの役割を担うものです。野生においてはフルテイルのほうが有利になりやすく、ボブテイルやランピーは生き延びることが困難でした。
しかし今では、街中でも遭遇する頻度が増えていますよね。ある意味、短いしっぽの猫が多い場所は猫界の治安が良いのかもしれません。
まとめ

見た目だけでなく、遺伝や文化、猫の行動にもつながるしっぽの形。家の猫はどのタイプかな?と見比べたり、クイズ感覚で楽しんでみるのもおすすめです。