1.お腹を出して寝る

野生の猫は、寝るときや休むときでもお腹を守るような体勢を取ります。ところが、イエネコとして長く暮らす猫はどうでしょうか。ゴロリと仰向けになり、お腹を出したまま寝てしまう子もいるほどです。俗に「へそ天」と呼ばれる行動ですが、こんな姿を見ると「野生を忘れてるな…」と感じてしまいますよね。
猫がお腹を守ろうとするのは、お腹が一番の急所だからです。うっかりお腹を出して敵に攻撃されてしまえば、命を落とす危険さえあります。したがって、猫は基本的にお腹を出したり触られたりすることを嫌うものなのです。
イエネコがへそ天で寛げるのは、家の中が安全だと知っているからに他なりません。今まで敵と会った経験がないため、まさか攻撃されると思っていないのでしょう。実際に、長く外で暮らしていた元野良猫は、保護されてからもお腹を出すことを嫌う傾向があります。
2.おもちゃに反応しない

猫用のおもちゃには、猫の本能をくすぐる工夫が施されているものです。大抵の猫用おもちゃは、狩猟を疑似体験できるように作られています。ネズミ型のおもちゃを始め、コロコロ転がるボールは小動物を連想させますし、紐状のおもちゃはヘビを連想させます。思わず攻撃体勢に入ったり追いかけたりしてしまうのが、本来の猫の姿です。
しかし、なぜかおもちゃに興味を示さない猫もいますよね。狩猟しなくてもご飯にありつけると知った猫は、なるべく動かないで過ごそうとするようです。その結果、運動神経を研ぎ澄ます努力を怠ってしまうのかもしれません。
また、おもちゃで遊ぶことはあっても、ジャンプが下手だったり転んでしまったりする猫もいるでしょう。野生の猫にとって失敗は一大事ですが、イエネコはそんな緊張感を持っていません。失敗しても「まあいいや」で済ませられるのは、イエネコの特権なのかもしれませんね。
3.鳴き声でアピールする

実は、「ニャーニャー」と鳴き声で甘えてくるのも、警戒心がないからこその行動です。外で野生の猫が鳴く場面に出くわした経験がある人もいるかもしれませんが、どんな状況だったでしょうか。おそらく、敵に襲われそうになっていたり、ケガをしていたり、かなり切羽詰まった状況だったのではないでしょうか。
猫にとって、鳴き声を発するのは敵に居場所を知らせるのと一緒です。当然のことながら、余程のことがないと無防備に「ニャー」と鳴いたりしないのです。自分の鳴き声が、自分の命を脅かすことに繋がってしまうからです。
対して、イエネコは鳴き声で飼い主さんにご飯を催促したりします。不快感や恐怖で鳴くという猫もいるでしょう。これは、人間が言葉を発しているのを見て、声でのコミュニケーションを習得したからに他なりません。イエネコにとっては、鳴き声は要望を伝える最大の武器になります。
4.食べ物の好き嫌いをする

食べ物を選り好みするのも、実はイエネコならではの特徴です。猫は好き嫌いが激しいイメージがあるかもしれませんが、それは選択肢があるからこそです。
野生の猫には、食べ物を選んでいる余裕などありません。食べるタイミングも、食べたいとき…というよりは、食べられるときに食べておくというスタイルです。次はいつご飯にありつけるか分からないのですから、あるものを食べる以外に選択肢はありません。
それに比べて、イエネコには選ぶ権限があります。気に入らないキャットフードでも、残せば別の食べ物が出てくることを知っています。そんな経験を繰り返すうち、どんどん食べ物に対して貪欲になっていきます。
まとめ

家の中で暮らす猫に警戒心がないのは、長く安心して過ごしてきたという信頼があるからです。つまり、野生を失ってしまうことは、それだけ穏やかな生活を過ごせているともいえます。ちょっぴり無防備な猫も、また愛らしいもの。愛猫との平和な暮らしを、ぜひ満喫してくださいね。