1.無防備な姿勢と穏やかな表情

猫の幸せ度合いを確認したいなら、まずは体の姿勢に注目してください。たとえば丸くなって体を小さく見せているのではなく、体が伸びていたり、床にだらんと寝そべっていたりしていたら、周囲に警戒心がなく、安心して身を任せている証拠です。
とくに仰向けでお腹を見せている姿(へそ天)は、非常に無防備な姿勢であり、飼い主への絶対的な信頼と安心を示しています。
「この場所は安全だ」「この人は私を傷つけない」と確信しているからこそできる行動なのです。
次に、表情にも注目してみましょう。幸せな猫は目元が穏やかで、瞳孔が半開きになっている場合が多いです。
耳も倒したりせず、ピンと自然な状態でいかにも「警戒心ゼロ」の表情をしています。
2.ゴロゴロと喉を鳴らす

猫が喉をゴロゴロと鳴らす音は、猫が幸福を感じているときに発する代表的なサインです。
たとえばリラックスしているときや、撫でられているとき、おいしいものを食べているとき、飼い主の近くにいるときなど、さまざまな「心地よい」と感じる状況で聞けるでしょう。
ゴロゴロ音は、猫の喉の奥にある仮声帯が振動することで発生すると言われており、その振動は猫自身だけでなく、聞いている人間にもリラックス効果をもたらすことがあります。
多くの場合ゴロゴロ音は「満足」「安心」「幸福」といったポジティブな感情のあらわれです。ただし、ときにはストレスや痛みを感じているときに自分を落ち着かせるために鳴らすパターンもあります。
とはいえ、まったりした表情でゴロゴロと鳴いている猫は、心ゆくまで「幸せ」に満たされていると思っていいでしょう。
3.スリスリと体をこすりつける

猫が飼い主の足元や体にスリスリと体をこすりつけてくるのは、甘えのキモチだけではなく、信頼と幸せのサインです。
自分のにおいをつけることで、「あなたは私のものだ」というマーキングをしているんですね。
実は猫の顔の周り(特に頬やあごの下)、尻尾の付け根などには、臭腺と呼ばれる分泌腺があり、ここからフェロモンを出して自分の縄張りや仲間を認識します。
同じように飼い主にスリスリと体をこすりつけ、猫は飼い主を「自分の仲間」「安全な存在」と認識し、安心感を得ているのです。
これは同時に「あなたが好き」「もっと構ってほしい」という甘えの気持ちも込められている場合も…。
とくに飼い主が家に帰ってきたときや、ソファでくつろいでいるときなどにスリスリしてくる場合、それは「会いたかったよ」「一緒にいたい」という、猫の純粋な愛情表現であると考えられます。
4.「フミフミ」と前足をふむ

猫が前足でフミフミと何かをこねるような動きをするのは、子猫だった頃の名残であり、安心と幸福感のサインです。
フミフミは子猫が母猫のおっぱいを飲む際に、乳の出を良くするために前足で揉む動作が起源とされます。
つまり母猫に甘えるように、幸福感に満たされていた子猫時代を思い出して「幸せで満足だニャ~」と言っているのかもしれません。
ペットの猫の場合は、成猫になっても子猫のキモチが抜け切れていない子がほとんどで、飼い主の膝の上や毛布の上、あるいは柔らかいクッションなどでフミフミする子が多いです。
フミフミと同時にゴロゴロと喉を鳴らすことも多く、「至福の感情」がピークに達している様子がうかがえます。
まとめ

今回紹介した4つのサインは、愛猫が「心が満たされている」証拠です。こういった一つ一つの行動が、猫が飼い主との生活の中で、どれほど安心して、満ち足りた気持ちで過ごしているかを物語っています。
猫は言葉を使えません。しかし猫たちの仕草や表情、行動を注意深く観察することで、その心の声を聞き取ることができます。
もし愛猫がこうしたサインを見せてくれたら、それはあなたが愛猫にとってかけがえのない存在であり、最高の飼い主であるキモチを伝えているのかもしれません。
これからも愛猫からの小さな幸せのサインを見逃さず、双方が満たされる幸せな生活を送れるよう、愛情深くサポートしていきましょう。