猫の『しっぽ』が持つ3つの大切な役割 どうしてあんなに自由自在に動くの?

猫の『しっぽ』が持つ3つの大切な役割 どうしてあんなに自由自在に動くの?

猫にとって「しっぽ」は、重要な役割を果たしている大切な部位。しかし、なぜあんなに自由に動かせるのか、不思議に思ったことはありませんか?今回は、猫のしっぽの秘密を解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.バランスを保つ

窓辺に飛び乗る猫

猫が細い塀の上をすいすい歩いたり、高い場所からジャンプしても見事に着地できるのは、実はしっぽのおかげ。猫のしっぽには、体のバランスをとる役割があるといわれています。歩行中やジャンプの着地時にしっぽを左右に動かすことで、重心を細かく調整しているのです。

野生時代において猫の祖先たちは木の上を移動することも多かったはずです。そのため、しっぽのバランス機能はまさに生き残るための道具でもありました。

2.感情表現

猫の挨拶

猫は人間の言葉を話しませんが、その代わりに体全体の部位で気持ちを伝えています。しっぽも、そのうちのひとつ。たとえば、しっぽをピンと立ててゆっくり歩いてくるときは、「うれしい」「たのしい」という気持ちを表しているといわれています。

逆に、しっぽを大きく激しくバタバタと振っているときは、イライラしていたり、警戒していたりする可能性があります。しっぽを体の下に巻き込んでいる場合は、不安や怖さを感じていることも。猫のしっぽの動きをよく観察していると、感情の変化に気づけるかもしれません。

3.マーキング

人にすり寄る猫

猫は自分のテリトリーを守る動物。そのため、マーキングによって「ここは自分の場所だよ」と主張します。猫のしっぽのつけ根付近には「臭腺(しゅうせん)」と呼ばれるニオイを出す器官があります。ここから分泌されるニオイを家具や人にこすりつけることでマーキングを行うのです。

人の足にしっぽを巻きつけるようにしてスリスリしてくるのは、愛情表現でもありますが、「あなたは私のもの」という意味合いのマーキングでもあります。

猫のしっぽが自由自在な理由

猫の尻尾

猫のしっぽがあんなにも自由に動くのは、構造に秘密があります。しっぽの中には細かい骨(尾椎:びつい)が連なっています。さらに、それらを動かすための筋肉や神経も複雑に張り巡らされていることで、細かな動きが可能になっているのです。

この構造のおかげで、猫はしっぽの先まで思い通りにコントロールすることが可能。まっすぐ立てる、くるりと巻く、先だけピクピク動かすといった芸当もお手のものです。

まとめ

猫の尻尾

猫のしっぽは、ただ可愛らしいだけではなく、猫の暮らしや行動を支える大切な役割を担っています。

愛猫のしっぽに注目してみると、普段は気づかない小さなサインや仕草が見えてくるかもしれません。猫の気持ちをもっと知りたいと思ったら、今回の記事を参考にしっぽの動きに目を向けてみてはいかがでしょうか。

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