猫のティッキングとは

ティッキング(ティックドタビー、ティックドコート)とは、1本の毛に複数の色が層のように重なっている被毛のこと。より簡単にいうと、毛の1本1本に濃い色と薄い色が入っているものです。
根元から毛先にかけて少しずつ色が変化していくため、全体的にやわらかなグラデーションが生まれ、見る角度や光の加減によって表情が変わるのが特徴です。独特のツヤと奥行きのある色合いが魅力で、気品ある美しさを持つ猫として人気を集めています。
1.アビシニアン

アビシニアンは、なめらかなティッキングの被毛をもつことで知られる人気の猫種。シャープな顔立ちにアーモンド形の目、大きな耳、しなやかで引き締まった体つきが特徴。気品ある雰囲気をまとっています。名前の由来は「エチオピア」。アビシニアとはエチオピアの別名です。ただ、実際の起源地については明確なことは分かっていません。
毛色のバリエーションもアビシニアンの魅力のひとつ。代表的なカラーは「ルディ」「フォーン」「レッド」「ブルー」など。もっともポピュラーなルディは、赤みがかったオレンジの地色に黒または濃いブラウンのティッキングが重なります。
2.ソマリ

ソマリは、アビシニアンとほぼ同じ遺伝子を持つ長毛種。上品で柔らかな被毛と華やかな毛色が魅力の猫です。アビシニアン同様、1本の毛に複数の色が混じる「ティッキング」が特徴で「ルディ」「フォーン」「レッド」「ブルー」などのカラーバリエーションがあります。
ふんわりと広がる長毛は、まるでキツネのしっぽのようにゴージャス。見る人を惹きつけます。その優雅な見た目に加えて、活発で人懐っこい性格も魅力のひとつ。遊ぶのが大好きで、知的な一面もあるため「犬のような猫」と感じるケースも多いようです。
3.シンガプーラ

シンガプーラは、コンパクトな体と繊細な毛並みが魅力の猫種。その名の通り原産地は東南アジアのシンガポールです。公認されている猫の中では最も小柄な猫種とされていますが、近年では一般的な猫と同等の体型のシンガプーラもよく見られます。
シンガプーラも「ティッキング」が入っているのが特徴。ただし、被毛の色はセピアアグーチ(淡いブラウン色)だけです。
見た目の華奢さとは裏腹に、意外と筋肉質。性格も活発で、好奇心旺盛な傾向があります。人との関わりを楽しむタイプで、信頼関係が築ければ飼い主に甘える一面も。小柄ながらも存在感のある、魅力たっぷりの猫種です。
まとめ

ティッキングは、1本の毛に複数の色が重なり合うことで生まれる美しさが魅力。光の当たり方で色合いを変えるその繊細な毛並みは気品を感じさせ、多くの猫好きから愛されています。
ティッキングの毛色は決して多くはない遺伝子のため、遺伝性疾患には注意が必要です。しかし、魅力あふれる猫種でもあるため、今回の記事を参考に、猫種の特性を理解した上で、ティッキングが特徴の猫をお迎えすることを検討してみてはいかがでしょうか。