1.一緒に過ごす時間が長いため

飼い主さんが猫と一緒に過ごす時間が長すぎると、猫の飼い主さんへの依存心が強くなることがあります。飼い主さんがそばにいることが当たり前だと思うようになるためです。その結果、飼い主さんの不在に耐えることができなくなってしまいます。
最近では、猫を屋内で飼うことが基本になっています。事故や病気の防止という大きなメリットがありますが、猫と人間の距離が近くなりすぎるという側面も。もともと猫は単独で暮らす動物なので、ひとりの時間が極端に減ることはよくありません。
もちろん、猫とのスキンシップはとても大切です。お互いにストレスのない関係を築くには、ある程度の距離感が必要だと覚えておきましょう。
2.生活環境が変わったため

猫が突然甘えん坊になったというケースもあるでしょう。最近、猫の生活環境に変化がなかったか思い出してみてください。引っ越しや模様替えなどの変化は、ときとして猫に大きなストレスを与えることになります。
ストレスがたまると攻撃的になる猫、塞ぎ込んでしまう猫など、そのアピール方法は猫それぞれ。不安な気持ちが強まると、飼い主さんに依存してしまうことがあるでしょう。
これほどに環境の変化が苦手なのは、猫が縄張り意識が強い動物だからです。お気に入りの寝床がない、トイレの場所が変わった、大好きな家族がいないなど、ルーティンが崩れることはできれば避けるのが賢明です。
3.歳を取ったため

人間と同じように、猫も歳を取ると甘えん坊になる傾向があります。若いころは飄々としていた猫も、加齢とともに飼い主さんに甘える頻度が増えることがあります。老猫は不安や恐怖を感じやすいといわれており、長年連れ添ってきた飼い主さんに依存したくなるのかもしれません。
老猫が不安を感じやすいのは、聴覚や視覚が衰えたからだと考えられます。昔のように感覚を研ぎ澄ますことができないのは、狩猟動物である猫にとって大きな不安に繋がるのでしょう。その結果、四六時中飼い主さんのそばにくっついていたりします。
老猫が飼い主さんに甘えるのは、これまでの信頼関係があってこそ。飼い主さんにとってはこの上ない幸せに感じることでしょう。しかし、中には病気によって痛みや苦痛を感じている場合もあります。食欲や元気などの変化がないか、よく確認してみてください。
依存を放置すると起きること

猫の飼い主さんへの依存をそのままにしておくと、なによりも猫の精神的負担になってしまいます。飼い主さんが外出するだけでストレスになったり、就寝中に夜鳴きを始めることもあります。
また、さらなる問題行動のきっかけになることもあります。留守番中に家具や家電を壊したり、構ってくれないと引っ掻いたり、攻撃的になるケースも。このような状態では、飼い主さんも外出をすることが難しくなってしまいます。
猫の依存心を和らげるためには、まずは適度な距離感を築くことです。スキンシップの時間とひとり時間、どちらも楽しめることが理想です。お気に入りの居場所を作った上で、短時間の留守番から始めてみましょう。
まとめ

自分だけにべったりと甘えてくる猫の姿は、たまらない可愛さがあります。しかし、あまりにも依存心が強い場合、飼い主さんにも猫にも負担になる恐れがあることを忘れてはなりません。万が一飼い主さんが家を開けなければならなくなった場合、猫は大きなストレスとなり、飼い主さんは不安でいっぱいになってしまうことでしょう。
猫の飼い主さんへの依存症は、猫自身の問題だけでなく、飼い主さんの接し方によって増長されることがあります。裏を返せば、飼い主さん次第で愛猫を安心させることも可能です。猫との関わりを見直したり、ルーティンを崩さないよう配慮することが大切です。