「3本足の天使たちが、飼い主に幸せを運ぶ」特別な猫たちと暮らす人々の証言

「3本足の天使たちが、飼い主に幸せを運ぶ」特別な猫たちと暮らす人々の証言

足を切断して3本足になった猫は、飼い主を見つけるのが困難だと保護団体はいいます。でも3本足の猫を家族にした飼い主たちは満足しており「とても愛情深く、辛抱強い」と話しています。

障がいのある猫は、飼い主を見つけにくい

膝の上で遊ぶ猫

画像はイメージです

米国のペット紹介サイト「PetFinder」が行った調査では、「家族にするのは難しい」と考えられた動物は、飼い主を探すのに通常の4倍も時間がかかります。回答した保護施設のうち19%は「特別な支援が必要なペットは、飼い主を見つけるのが最も難しい」と認めています。

障がいのある猫は、養子縁組の対象として考えてもらえないことも多いのです。でもそういう猫こそ、愛情を注ぐのにふさわしいペットになれるし、飼い主との間に特別な絆を結ぶことができるのです。

その例をご紹介しましょう。

数年前、Kellyさんは中庭で思いがけないものを見つけました。

「小さい茶トラ猫が茂みの中にいて、その片足は不自然にブラブラしていました。野良猫のようですが、隠れたまま姿を現しません。そこで水とご飯をそばに置いて安心させたのです」

治療が必要な状態だと気づいた彼女と家族は、猫に茂みから出てくるよう呼びかけ続けました。

「結局、義弟が車寄せに腹ばいになって横たわり、やさしく声をかけたところ、猫も勇気を出して出てきたのです」

獣医によると、子猫は車に轢かれたのだろうということでした。ケガをした足を切断する必要があります。でも事故の際に脳震盪でも起こしていれば、助かる見込みは低いといわれました。Kellyさんはあきらめませんでした。猫を「Milo」と名付けて、足の切断手術を敢行してもらったのです。

「その後、子猫はずっとわたしの膝の上から離れませんでした。そのうち傷口もかなり癒えましたが、わたしと息子以外の家族には、怖くてなかなか近寄れませんでした」

やがてMiloは8歳になりました。

「依然として怖がりの猫ですが、わたしと夫、息子2人のことは大好きです。3本足なので、バランスを崩しそうになるとパニックになって、人間の皮膚に爪を立てることがあります。そんなときも叱らずに我慢しています。ほぼ自由に移動できるようになりましたが、たまにジャンプのとき目測を誤り、失敗することもあります。これもMiloの個性だと理解して、必要なときだけ手伝います」とKellyさんはいいます。

以前にも3本足の猫を家族にした女性

棚の上の猫

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Taraさんは3本足の猫Dublinを自宅に迎えました。動物保護施設でボランティアとして写真撮影を行っている友人から「ここに3本足の猫が保護されている」と聞いた彼女は、悩みました。すでに猫2匹を飼っていたからです。

でもこの猫のことが頭から離れないTaraさんは、施設を訪ねてみました。そして一目でDublinのことを気に入ってしまい、結局その場で養子縁組をして自宅へ連れ帰ったのです。

Taraさんは以前にもNickelという名前の3本足の猫を飼っていましたが、残念ながら2015年に亡くなってしまいました。

今回Dublinを迎えた状況は、数年前にNickelを迎えたときと似ているとか。

「友人と一緒に、車に轢かれてケガをした猫を動物保護団体の施設に見に行きました。そのとき、かわいい灰色の子猫が、檻の間から手を差し伸べているのに気づきました。ケージに近づいて初めて、子猫の足の一部が欠けているのがわかりました。施設では当時の飼い主が引き取りに来るのを待っていたため、わたしはキャンセル待ちの希望者リストに名前を記入したのです。数日後に電話すると、猫の健康状態は悪化しており、熱も出ていたというではありませんか」

「すぐにかけ付け、猫を抱いて獣医に連れて行きました。足の残った部分を切除してもらい、自宅で看護しました。3日もすると、戸棚の上によじ登っていたのです。その後は3本足でもほかの猫と同じように動きまわっていました」

やさしい膝乗り猫に

3本足の茶トラ猫

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猫は飼い主からの愛情を求めますが、「3本足の猫は、その傾向がより強い」とTaraさんは考えています。

「DublinもNickelも、甘ったれの膝乗り猫です。やさしく愛情豊かで遊び好き。忍耐強い面もあります。4本足の猫とは違う性格です。わたしの子供たちにも辛抱強く接してくれるので、ほかの同居猫にも良い影響を与えています」

ほかの猫とは違った気遣いが必要なのでしょうか?

「片方の前足に過重な力がかからないよう、気を付けています。子供たちが猫と乱暴に遊ばないよう、注意していますね」

でも彼女はDublinの敏捷性や同居猫との関係については、まったく心配していません。

「走ったり、ジャンプしたり、猫たちと争ったりするのには、何の問題もありません。ケンカするときは、むしろ力を加減しているみたいですね。猫の中で最年少(3歳)なので、エネルギーに満ちていて、他の猫をけしかける傾向があります」

たとえ足を切断していても、あるいは障がいや病気を抱えていても、こうした猫は飼い主の愛情と思いやりを受けるにふさわしい、すばらしい存在です。機動力にかけていたり、慣れるまでに時間がかかったりするかもしれませんが、ほかの猫と何も違いはありません。

あなたも猫をペットに迎えたいとお考えでしたら、「少しだけ特別なケアが必要な猫」について考えてみませんか。想像以上に愛情深くてかわいく、理想的な家族になれるかもしれません。

出典:Real Life Stories of Caring for Cats with Disabilities

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