人間とのふれあいで「性格が変化する」タイプも

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猫が好きでも、アレルギーなどのため飼えない人がいます。でも近年人気が出てきた「ロボット猫」だったら、そんな心配はないはずです。
2019年に初めてElephant Robotics社が発表して以来、アレルギー反応がなくてトイレ掃除もいらず、飼育費用も少なくてすむロボット猫をペットにすることが現実のものになりました。今では多くの会社が消費者ニーズにあわせた新製品を販売しています。
ロボット猫の「動き方」は製品によってさまざまです。外見もさわり心地も、かなり本物の猫に近いものもあります。触覚や聴覚を備え、音へ反応して「飼い主」を認識することさえできます。なかには、おもちゃで遊んだり、飼い主のひざに座ってフミフミしたりするロボット猫までいるのです。
これらのロボット猫は通常、「お座り」や「おいで」といった指示を認識して行動します。最大で20種類の指示に反応できるタイプもあれば、ほんのいくつかしか反応できないものもあります。
周囲の状況に反応してニャーニャーと鳴いたり、いろいろな声を出して感情を表現するロボットもいます。人間とふれあうことで、「ぐうたら」「フレンドリー」「とても活発」などと、性格が変化していくロボットもいます。
リアルなタイプや、機械そのものタイプも

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市場に出回っているロボット猫は、大きく分けて「リアルな猫」と「ロボットのような猫」の2種類に分けられます。多くのロボット猫はふわふわの毛並みをもっているものの、なかには固い機械そのものの猫もいます。
AIによるインタラクティブ機能をもつロボットもたくさんあります。触覚や視覚、聴覚を備えてリアルに反応するものもあれば、ごく限られた反応しかできないタイプもあります。
ロボット猫は子供向けに販売されるだけでなく、高齢者向けや幅広い年齢層向けのものもあります。
ロボット猫には充電用のUSBポートが付いているか、リチウムイオン電池を使うものが多く、なかにはその両方に対応しているものもあります。
高齢者や子供へのセラピー効果も

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実際、ロボット猫はさまざまな場面で役に立っています。猫にアレルギーがある人や、飼育費用が負担できない人などが家庭に迎えるケースも多いのですが、子供や高齢者のセラピー動物として使われることもあります。
とくに認知症を患う高齢者にとっては、ロボット猫がすぐれたセラピー効果を発揮することがわかっています。一緒にいるだけで高齢者の不安、孤独感、うつ状態を改善できるのです。
2016年に行われた実験では、ペットロボットを与えられた認知症患者にはストレスの軽減や脈拍の低下、不安やうつ病の軽減、さらには投薬頻度の低下が見られました。
別の研究結果によると、ロボット犬と交流した自閉症の子どもが心を開き、より多くの会話を交わすようになったといいます。
ロボット猫が未来のペットとして広く愛されるようになるかどうかは、まだわかりません。「アレルギーを起こさない」「治療に使える」などの利点は確かにありますが、AIの利用が倫理的に問題がないのか、機械と仲良くなることで生きもの同士の社会的・感情的なつながりが失われるのではないかなど、不安な点も数多く残されているからです。
しかしペットロボットはかわいくて、多くの人に役立つのは確かです。もしあなたが本物のペットを飼えない場所に住んでいたり、猫に強いアレルギーを持っているなら、ロボット猫がよい解決策になるかもしれませんね。
出典:Robot Cats: Are They the Pets of the Future? Pros, Cons & FAQ