空港に専用ターミナル設置

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中国では近年、ペットを飼う人が急増しています。とくに犬に比べて散歩がいらず世話が比較的楽な猫は、40代以下の世代に圧倒的な人気があるといいます。
こうした風潮に対応して、広州白雲空港は中国で初めて「ペット専用ターミナル」を開設して、試験運用を始めました。2025年5月には本格的に運営を開始します。
2000平方メートルの広さを誇るターミナルの屋内外に2つのエリアがあり、ペットのチケット予約や専用チェックイン、検疫・輸送のサービスを提供しています。
利用者はモバイルアプリから利用を予約できます。ペットを同伴する飼い主は、航空運賃として1300~2000元(約2万5000円~3万9000円)、ターミナルでの手数料に約300~500元(5800円~9800円程度)を支払う必要があります。
ターミナル内には最大で30匹を収容できるペットホテルも併設されています。あわせて2025年1月には、同空港に乗り入れる中国南方航空が国内民間航空として初めて「機内でペット用の座席を予約できるサービス」も導入しています。
忙しい人々が猫に見出す「慰め」

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「うちの猫たちはすごく賢くて、物事を理解します。娘と口論していたときも2匹が割って入り、鎮めようとしてくれました」というのは、北京在住で13歳と16歳の猫2匹を飼っているMa Liさんです。
Maさんが16年前にアパートに引っ越したとき、初めて白黒猫を飼い始めました。
「帰宅するたびにこの猫が玄関で出迎えてくれました。仕事のプレッシャーが和らぎ、自分が必要とされていると感じることができたのです」と彼女はいいます。
2匹目の猫を飼う決意するのに、時間はかかりませんでした。2匹の性格は異なり、片方は愛情深く、他方は控えめだといいます。2匹をとても愛している彼女は、猫のためにお金を使うことためらいません。
「猫にとっていいものなら、自分より優先します」という彼女は、砂やフード、おもちゃなどの猫用品が詰まった大きなバッグを4つも抱えていました。
都会で毎日のプレッシャーと孤独に悩む人々が、このように猫に慰めを見出す現象は近年続いています。このため飼育数もどんどん増えているのです。
Asia Pet Research Instituteによると、中国で登録されている犬猫は約1億8700万匹で、国内のペット産業規模は約3000億人民元(約5兆8000億円)に上ります。ペット市場調査会社Petdata.cnの発表では、中国の飼い猫の数は2024年に6980万匹に達して前年比6.8%増となり、飼い犬の数を1805万匹も上回りました。
犬より世話が楽な猫たち

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中国獣医師会のLiu Lang副会長も「1980年代から90年代生まれの人々は、犬よりも世話が楽な猫を好む傾向があります」といいます。
「犬の散歩は多忙な若者や中年層にとって大きな負担です。でも同時にそういう人々は仲間を求めています。猫はスペースをあまり必要とせず入浴の頻度も少ないため、コンパニオンアニマルとして好まれるのです」
猫の個性的な性格に魅了される人もいます。
「小さいころは実家に犬がいたので、自分は犬好きだと思っていました。でも猫を飼い始めて3年たった今では、どちらかというと猫派です」というLiさんは、野良猫だった五千(ウーチエン)を保護し、2週間で5000元(約9万7千円)の入院費用を支払って飼い始めました。
「朝起きると五千が寄り添ってきて、尻尾を曲げてうれしそうにします。わたしを頼りにしているのがよくわかります。猫との関係を通じて、はっきり『ノー』と気持ちを表明する大切さを学びました。他人との関係にしっかり境界線を引くことも、五千がわたしに教えてくれた大事なことです」と笑顔で話すLiさんです。
出典:
・Guangzhou Baiyun Airport Establishes China’s First Pet Terminal
・When it comes to popularity, cats get the upper paw