猫の『鼻クソ』が気になったら…考えられる4つの原因とキレイにする方法

猫の『鼻クソ』が気になったら…考えられる4つの原因とキレイにする方法

実は猫の鼻にも鼻クソがつくことがあります。生活環境や体質、病気など様々な理由がありますが、「愛猫の健康に関わるかもしれない」と思うと気になりますよね。今回は、猫に鼻クソがつく4つの原因と対策、鼻クソをキレイにする方法を解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.ホコリや汚れ

掃除機を嗅ぐ猫

猫は空気中に舞うホコリや花粉、毛、カーペットの繊維などを鼻でフィルターのように捉えています。部屋の掃除や換気が十分でない場合に鼻の穴や鼻腔内に汚れがたまりやすくなり、溜まった汚れが乾くことで鼻クソになるのです。

ホコリや汚れは床や家具など猫の顔に近いところに溜まりやすく、猫の鼻を刺激してしまうので日頃からこまめな掃除を心がけましょう。猫の脱走に注意した上で定期的に換気も行うようにするとなお良いでしょう。

2.アレルギー反応

くしゃみをする猫

ハウスダストや花粉、食べ物、カビ、ダニなどにアレルギー反応を示すと、鼻の粘膜が炎症を起こして鼻水がたくさん出たり鼻が詰まりやすくなります。アレルギーの場合はくしゃみなどを伴うことも多く、鼻水が固まって鼻クソができるのです。

動物病院で何がアレルギーの原因となっているのかを検査して、原因に応じた対処をしましょう。

ハウスダストや花粉など環境中のアレルゲンが原因であれば空気清浄機を導入して除去したり、ダニが原因であれば寝具を週1~2回程度、60℃以上の温水で洗濯するといった対策が有効です。

また、普段食べているフードの原材料が引き金となるケースもありますので、愛猫の体質に合ったフードを選びましょう。

3.感染症

鼻が詰まった猫

鼻クソや鼻水が頻繁に出たり、くしゃみや咳、発熱、結膜炎などの症状を伴う場合は、以下の感染症が原因として考えられます。

  • 猫ヘルペスウイルス感染症
  • 猫カリシウイルス感染症(猫風邪)
  • 猫クラミジア感染症
  • マイコプラズマ感染症
  • クリプトコッカス症(真菌感染症)

これらの感染症にかかると鼻水が症状の一つででることがありそれが乾燥して鼻クソとして残るのです。鼻づまりが酷くなると匂いが分からなくなることから、食欲不振となりご飯が食べられず衰弱してしまうことも。

普段と様子が違っていたり、元気がないと感じたら、念のためでも良いので速やかに病院で診てもらいましょう。

4.鼻腔内腫瘍やポリープ

鼻クソがついた猫

鼻クソのように見えていたものが、実は鼻腔内の腫瘍やポリープだったというケースもあります。猫の鼻腔内にできる腫瘍は、リンパ腫や扁平上皮癌、腺癌が原因として挙げられます。

以下のような異変が見られたら腫瘍の疑いがあるかもしれませんので、すぐに獣医師に診察をしてもらいましょう。

  • 片側の鼻だけに鼻クソがつく
  • 鼻水に血が混じっている
  • くしゃみが止まらない
  • 呼吸が「ブーブー」「ヒューヒュー」と変な音を立てる
  • 顔の一部(特に鼻周辺)が腫れている
  • 食欲不振、元気消失

腫瘍が奥の方まで進行している場合は、目が飛び出たように見えることもあります。日頃から健康チェックを欠かさないようにし、体調の変化を逃さずキャッチしましょう。

猫の鼻クソをきれいにするには?

鼻を拭かれる猫

鼻周りのお手入れは猫が嫌がる可能性がありますので、寝起きや甘えてきている時など愛猫がリラックスしているタイミングで行いましょう。

濡らした清潔なガーゼやコットン、動物用のウエットシートなどで鼻の周りを軽く押さえて優しく鼻クソを取り除きます。取りづらい時は綿棒で鼻の入り口を優しくなぞるようにして取りましょう。

乾いていてガチガチに固まっている場合は無理に取らず、ぬるま湯を含ませてしばらくふやかしてからチャレンジすると取りやすくなります。どうしても取れない場合は、動物病院で処置してもらうのが安全です。

お手入れが終わったら優しくなでたり、おやつを少しあげるなどして「いいことがあった」と覚えてもらうと、次回もやりやすくなりますよ。

まとめ

猫の鼻のアップ

猫の鼻クソは、日常的なホコリや汚れが溜まってできることが多いですが、体調不良や病気のサインであることもあります。体調の観察と環境の見直しを行い、日々のスキンシップの中で、鼻や目の周りもチェックする習慣をつけておくと、早期に異変に気づくことができます。

病気の早期発見と早期治療は愛猫の健康を守ることにつながりますので、「いつもと何だか違うな」と感じるタイミングで病院を受診するようにしましょう。

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