猫の目の病気『チェリーアイ』を知っていますか?原因や症状、対処法を解説

猫の目の病気『チェリーアイ』を知っていますか?原因や症状、対処法を解説

猫の目頭が赤く腫れてしまう「チェリーアイ」という病気があります。猫の特徴的な目が痛々しい状態になってしまいます。もしものときのために、チェリーアイの原因や症状、対処法を知っておきましょう。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

チェリーアイとは

瞬膜が見えている長毛の猫

猫は上下のまぶたのほかに「瞬膜」と呼ばれる第三のまぶたがあります。瞬膜は、まぶたを閉じるときに目頭から目尻に向かって出てきて眼球を覆っています。

目の表面のごみを取り除き、涙を分泌して乾燥を防ぐ役割があり、健康な状態では外からはほとんど見えません。瞬膜の奥にある涙を分泌する部位(瞬膜腺)が瞬膜ごと飛び出してさくらんぼのように赤く腫れた状態が「チェリーアイ」です。犬には時折見られる病気ですが、猫では珍しいと言える病気です。

チェリーアイの原因

丸い目の黒猫

瞬膜腺を固定している組織が生まれつき弱かったり、炎症、外傷などが原因で、瞬膜腺を固定しきれなくなり飛び出してしまいます。他にも加齢、腫瘍、遺伝などが考えられますが、原因がわからないケースもあります。

チェリーアイの症状

顔を洗う猫
  • 目頭に米粒~小豆大の赤い塊が飛び出る
  • まばたきが増える
  • 目やにや涙が多くなる
  • 前足で目をこするなど目を気にする

基本的に両方の目に起こり得る病気です。猫ではまれな病気ですが、若い猫に多いと言われています。飛び出した瞬膜を気にして前足や物でこすることで、結膜炎や角膜潰瘍が起きることがあります。

チェリーアイの対処法

獣医師に顔を見られる猫

原因がわからないこともあるため、予防することは難しいですが、けがや炎症が原因でもあるので、けがをしないようにすることが大切です。猫の目に症状がみられたら悪化する前に動物病院を受診しましょう。

動物病院では目の状態を確認して、他の病気がないか調べます。高齢の猫は腫瘍の可能性も含めて検査をします。

治療は、内科治療と外科治療があります。内科治療では、点眼薬や内服薬で、炎症を抑えます。軽症の場合、投薬で瞬膜が元の位置に収まったり、獣医師が猫のまぶたの上から押し込むことで改善したりできます。しかし、チェリーアイは再発する可能性が高い病気です。再発を繰り返したり、重症になったりした場合は、全身麻酔をして瞬膜を本来の位置に戻す手術を行います。

まとめ

緑色の猫の目

猫のチェリーアイは、第三のまぶたである瞬膜の瞬膜腺が飛び出て赤く腫れてしまう病気です。涙を分泌する瞬膜腺が飛び出てしまうため、刺激によって涙が多く出たり、目を気にしてこすってしまったりします。

軽症であれば投薬治療で改善することがありますが、再発を繰り返す場合は手術が必要です。犬と比べて猫ではまれな病気ですが、目に症状がみられたら、悪化する前に動物病院を受診し治療を受けましょう。

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