猫には『首輪』をしたほうがいい3つの理由 ベストな選び方も紹介

猫には『首輪』をしたほうがいい3つの理由 ベストな選び方も紹介

最近は「完全室内飼いなので、愛猫には首輪をつけていない」という家庭もあるようですが、みなさんはどうですか?実は、猫の首輪には、普段は必要ないように思えるかもしれませんが、いざというときに役立つ災害グッズのような役目があるのです。今回は、猫に首輪をつけるメリットを具体的に解説します。また、首輪の選び方も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫に首輪をする3つのメリット

赤い首輪猫

猫の首輪には、かわいさだけでなく実用的なメリットがいくつかあります。ここでは、愛猫に首輪をしたほうがいい理由を3つ紹介します。

1.迷子対策

家族が帰宅して玄関ドアを開けたときや、暑い時期に窓を網戸にしていて猫が自力で開けて外に出てしまったなど、猫の脱走は飼い主がどれだけ注意していても、ふとした瞬間に起こるものです。

万が一、猫が外に出て迷子になってしまった場合、首輪があれば、はじめて猫を見かけた人にも「誰かの飼い猫」であることがわかりますし、首輪に小さな迷子札を付けておけば、連絡先がすぐに確認でき、無事保護される可能性が高まります。

特に毛柄に特徴の少ない黒や白の単色の猫や、キジトラなど家族にはわかるけど他人から見分けが付きにくい毛柄の猫は、目撃時の首輪の有無は保護される確率を大きく左右します。

2.非常事態のときの安全のため

動物愛護法では、飼い主に対して個体識別ができるように所有者を明示するよう努力することが義務付けられています。迷子対策としては、何かの衝撃で外れてしまう可能性のある首輪よりも、マイクロチップの装着または両方の併用が推奨されています。しかし、首輪にも重要な役割があります。

それは、災害などで非常事態になった際に、時間をかけずに猫にリード(ハーネス)を付けて行動をコントロールできた方が、猫の安全の確保につながるためです。

それまで首輪をしていなかった猫に、有事の際にいきなり首輪やハーネスを装着させるのは非常に困難です。緊急時であってもさっとリードを装着できる点では、普段から首輪をして慣れておいたほうがよいのです。

3.健康や行動のモニタリング

以前は「おしゃれ」「カワイイ」くらいしか特徴のなかった猫の首輪も、最近ではテクノロジーを利用した便利な機能を追加できるものが増えています。

たとえば、GPS機能付きの軽量タグを装着すれば、万が一迷子になっても、飼い主がスマートフォンなどで猫の居場所を確認できます。自宅の中でも、いつもと違う場所に長時間留まっている場合には、体調不良などの可能性を早期に察知できます。

また、最近では日常的な記録が取れるスマート首輪に人気があります。トイレの回数や睡眠時間、運動量などが記録され、毎日の健康管理に役立てることができます。これからは、愛猫の健康管理のために首輪をつけたほうがいいかもしれません。

猫の首輪はどんなものがいい?

タグのついた首輪猫

猫の首輪は、猫の安全性と快適さを十分に考慮して選びたいものです。首輪を選ぶ際に大事なポイントを紹介します。

  • 猫の安全性
  • サイズ調整が可能
  • 素材と快適さ

安全面は最重要ポイントです。猫の首輪が何かに引っかかった場合、一定の力で外れるセーフティバックル(安全バックル)がついているものを選びましょう。首輪による窒息事故を防げます。

また、成長期の猫には特に、サイズ調整ができる首輪が理想です。購入時には調整できる幅を確認して指が2〜3本入る余裕があるサイズを選びましょう。はじめて首輪を購入するときは、できればネット購入よりも、実際に手に取ってみたほうがわかりやすいかもしれません。

そして、首輪自体の重さにも注意しましょう。首輪が重すぎると、ストレスの原因になることがあります。特に装飾やチャームがついている場合、GPSタグを取り付ける場合などは、その分の重さも考慮してください。

重い首輪やサイズがギリギリすぎる首輪は、皮膚が擦れて脱毛や皮膚炎の原因になることもあります。定期的に皮膚被毛の状態を確認して、首輪による弊害が起きていないか気にかけておきましょう。

まとめ

鏡をチェックする首輪をした猫

もしかしたら一部の人には、猫の首輪は外に出す猫のイメージがあったかもしれません。室内飼いの猫には、必要がなさそうに感じるかもしれませんが、迷子対策や非常時の安全確保、さらには健康管理など、いざというときに役立つ多くのメリットがあります。

首輪を選ぶ際には、デザインやカラーも気になりますが、装着する猫の安全性や快適さを最優先に考えて選びましょう。

これまで首輪をした経験がない猫は、最初は1日数分の装着からはじめて同じタイミングでおやつをあげるなど、少しずつ慣らしていくことも大切です。

首輪に強いストレスを感じる猫の場合は無理をするべきではありませんが、首輪は猫の安全と健康を守るためのツールとして役立つますので、愛猫に合わせて最適な選択をしてあげてくださいね!

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