猫の健康に不可欠な『6つの栄養素』とは?長生きしてほしいなら知っておくべき

猫の健康に不可欠な『6つの栄養素』とは?長生きしてほしいなら知っておくべき

キャットフードは猫のために栄養をバランス良く配合し作られているので、安心して与えることができます。ですが、猫に必要な栄養素には何があるのかご存じですか?猫の健康や長生きのために知っておきましょう。

SupervisorImage

記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.タンパク質

肉の塊を触る猫

筋肉、血液、皮膚、内臓などを作るのに必要な栄養素です。ホルモンや酵素などを作るのもタンパク質を必要とします。人間の主なエネルギー源は炭水化物ですが、猫は完全肉食動物であり、主なエネルギー源はタンパク質です。

研究機関によって差がありますが、猫が1日に必要とするタンパク質は体重1kgあたり5〜7g、人間は体重1kgあたり0.8gと、猫にとってタンパク質はとても大切な栄養素と言えます。

しかし、過剰に摂取すると肥満の原因になります。肝機能や腎機能が低下している猫では肝臓と腎臓に負担となるので、獣医師の指示のもとタンパク質の量に配慮した食事を与えましょう。

タンパク質は摂取すると消化されアミノ酸となります。アミノ酸の一種のタウリンは猫の体内でほとんど合成することができず、欠乏すると網膜や心臓の病気の原因になりかねません。

加えて、タウリンは肉類や魚介類に含まれているので、猫は動物性タンパク質を取る必要があります。猫に必要な量のタウリンが含まれているキャットフードを与えましょう。

2.炭水化物

ねこまんま

炭水化物は糖質と食物繊維に分けられます。糖質はエネルギー源になります。しかし、猫は糖質の原料となる穀物類の消化や代謝が得意ではないため、炭水化物を多く摂取すると消化不良や高血糖になる可能性があります。

キャットフードに含まれている炭水化物は、猫が消化しやすいように加工されているので心配いりません。食物繊維は、腸内の環境を整えたり、腸の蠕動運動を調節したりする働きがあります。

3.脂肪

包丁で剥がされる脂身

猫にとってタンパク質と同じくらい重要なエネルギー源です。他にも免疫機能の調節や、皮膚や被毛の健康を保つ働きなどさまざまな役割があります。過剰に摂取すると、肥満や膵炎、糖尿病などになる可能性があります。

4.ビタミン

たくさんの野菜

代謝や、体の機能の調整に関わっています。ビタミンは水溶性と脂溶性の2つに分けられ、水溶性は過剰に摂取しても尿中に排泄されるので問題ありませんが、こまめに摂取する必要があります。

脂溶性ビタミンは体内に蓄積されるため、摂りすぎると中毒を起こすことがあります。

5.ミネラル

ミネラル

骨、歯、血液などを作るために必要な成分です。さまざまな生理機能にも関係しています。ミネラルとビタミンは体を構成したり、体の機能を維持したりするためにどちらも必要で、バランス良く摂取することが大切です。

カルシウム、リン、ナトリウム、マグネシウムはいずれも生体活動に必要なミネラルですが、過剰になると尿や腎臓、骨や関節の健康に影響がでます。

6.水

水を飲む猫

猫の体の6~7割は水分で、水は血液の成分や体温調節など生命を維持するために必要です。猫の祖先は砂漠で暮らしていたため、少ない水でも生きていけるように水を積極的に飲まず、尿を濃縮しています。

そのため腎臓に負担がかかり、高齢になると腎臓の病気になりやすいとされています。

猫は体重1kgあたり40~60mlの水が必要とされています。この水分量は単純な飲水量だけではなく、食事に含まれる水分や食事を代謝する時に発生する水分も含みます。

水分不足は腎臓だけでなく、尿石症などその他の疾患にも影響を及ぼします。水飲み場を増やす、冷たい水、ぬるま湯、流れる水など猫には水の好みがあるのでいろいろと試してみましょう。

まとめ

食事中の白黒猫

猫と人間では必要な栄養素の割合が異なります。猫の年齢や体調に必要な栄養素をバランス良く含んだキャットフードを与えることが、健康や長生きに繋がります。猫の食事に関して不安があるときは動物病院に相談をしましょう。

スポンサーリンク