猫にとって『親兄弟』はどういう存在?猫社会に見る“血縁関係”の意味 一度離れると縁が切れる?

猫にとって『親兄弟』はどういう存在?猫社会に見る“血縁関係”の意味 一度離れると縁が切れる?

母猫にお世話され、きょうだい猫とじゃれあう子猫たちの姿はとても可愛いですよね。猫は自分の親やきょうだいをどのように感じているのでしょうか。猫社会の血縁関係の意味などをご紹介します。

子猫は母猫に大切に育てられる

子猫をなめる成猫

母猫は子猫を出産し、子猫が生後半年くらいになるまでは、母乳を与え、敵から守り、狩りを教えるなど大切に育てます。

子猫が生後2ヵ月ごろまで母猫は母乳を与え、生後5週ごろになると獲物を食べさせるようになり、どんな生き物を食べるのか、仕留め方や食べ方、狩りの仕方を教えるのです。母猫は子猫が独り立ちできるようにつきっきりでお世話をします。

親離れするとお互いに忘れる

人に甘える猫

子猫が生後3~4ヵ月ごろになると母猫は親離れするように促し、生後6ヵ月ごろまでに親離れします。親離れすると親子であったことは忘れてしまいます。

猫は単独で行動し縄張りを持つ動物なので、親子が再会しても知らない猫と遭遇してしまったと感じ、威嚇し合うこともあるのです。ただ、メスの子猫は成長しても母猫と同じテリトリーで過ごす場合があります。

人に飼われているなど餌に困らない場合は、子猫は自立する必要がないので親離れせず一緒に生活を続けることもあります。子猫が成長しても母猫に甘え続けることもあります。

人に飼われている場合は、飼い主さんを母猫と思っているケースが多く、親子関係ではなく対等な関係になっていくことが多いです。

きょうだいの感覚はない

じゃれるきょうだい猫

きょうだい猫とは一緒に育ち、遊んで、けんかをするなどコミュニケーションをとりながら成長しています。それぞれ独り立ちするまではとても仲良しです。

ただ「兄」「妹」といった感覚はありません。「いつも一緒にいるから敵ではない」というふうにしか思っていないようです。

独り立ちした後はお互いをきょうだいと認識することはありません。短期間一緒にいただけなので忘れてしまうようです。飼い猫という状況では、きょうだい猫はいつまでも仲良く過ごすことがあります。

子猫が父猫を認識することはほとんどない

4匹の猫の家族

猫の育児は基本的に母猫だけで行います。発情期のメス猫は複数のオス猫と交尾をするので、生まれてきた子猫の父猫がバラバラということもあるのです。

そのため猫には「父猫」という概念がないと考えられています。オス猫の中には、母猫と子猫がいる場所に敵が近づかないようにパトロールしたり、子猫の毛づくろいをしたり、子育てに参加するオス猫もいます。

子猫からすると、父猫は体が大きい知らない猫で怖いと感じたり、きょうだい猫くらいに感じたりしているようです。子猫が独り立ちした後は、再会しても親子であることはわからないので、縄張りをめぐってけんかになることもあります。

まとめ

見上げる成猫とミルクを飲む子猫

母猫は1匹で子猫を大切に育て、きょうだい猫はけんかをしながら仲良く成長します。

しかし、猫社会では人間のような血縁関係を意識することはあまりなく、子猫が独り立ちすると親子やきょうだいであったことは忘れてしまいます。ドライにも見えますが、それが猫らしさでもあるのでしょう。

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