あなたの愛猫、運動不足になっていない?猫に必要な『運動量』の目安とすぐできる室内運動4選

あなたの愛猫、運動不足になっていない?猫に必要な『運動量』の目安とすぐできる室内運動4選

愛猫の健康を保つためには、適切な運動が欠かせません。しかし室内で飼育されている猫の多くは、十分に運動できないケースが目立ちます。運動不足が続くと、肥満といった健康問題を引き起しかねないので、猫にも適切な運動が必要です。では猫の運動量の目安とは、どの程度なのでしょうか?また室内でもできる運動には、どのようなものがあるのでしょうか?

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫に必要な『運動量』の目安は?

ヨガをする猫

猫の適切な運動量は、年齢や健康状態、生活環境によって異なりますが、一般的に成猫の場合、1日10~20分程度の運動が理想とされています。

幼猫の場合はエネルギッシュで活発に動くため、さらに多くの運動が必要ですし、逆に老猫や体調が優れない猫は、短時間の運動もしくは運動無しでもOKです。

筋力キープを目標にして、無理なく行えるといいでしょう。

すぐできる猫の室内運動4選

キャットタワーで上下運動する茶トラ

すぐにできる猫の室内運動には、たとえば次のような方法があります。上手に取り入れて、愛猫の運動不足を解消しましょう。

1.おもちゃを使った追いかけっこ

羽根付きのおもちゃやボールを使って、猫の狩猟本能を刺激します。おもちゃを動かし、猫に追いかけさせることで、運動と楽しさを両立できるでしょう。

2.キャットタワーでの遊び

キャットタワーを利用して、猫に登ったり降りたりといった上下運動を促します。高い場所にお気に入りのおもちゃやフードを置くことで、運動量を増やせます。

3.階段を使った運動

階段のある家庭では、おもちゃを階段の上に投げて猫に追いかけさせるのもいいです。階段の上り下りは全身運動になり、筋力向上にも効果的ですよ。

ただし老猫や関節疾患がある猫は、無理をしないように注意してください。

4.レーザーポインター遊び

レーザーポインターを素早く動かし、猫に追わせましょう。猫は体を動かしながら狩猟本能を刺激し、満足度の高い運動ができます。

レーザーポインターを動かすだけなので、飼い主も疲れにくいのもおすすめポイント!

これらの方法を日常的に取り入れることで、室内でも猫の運動を促せます。健康維持にも役立つので、ぜひ積極的に行っていきましょう。

運動不足の猫が見せるサインとは?

無気力なデブ猫

運動量が足りていないと、猫は次のような「運動不足のサイン」を見せる場合があります。

体重増加

猫の運動不足の顕著なサインの一つは「体重増加」です。日本の猫の約42%が肥満と言われており、十分な運動をしていない猫は、簡単に体重が増加してしまいます。

特に運動がしづらい室内飼いの猫は注意が必要で、食事でとったカロリーが脂肪として蓄積しやすくなりがち。肥満になると背骨が触れない、体が丸くなるなど体型の変化が明らかになってくるので、ほとんどの飼い主が「太ったな」と気づくでしょう。

体重増加は単なる見た目の問題だけでなく、関節への負担や糖尿病といったさまざまな病気のリスクを高めるため、飼い主は猫の体重変化に注意してください。

無気力

猫が見せる「無気力」も、運動不足のサインの一つです。

筋力が低下し肥満で体が動かしづらくなると、おもちゃに興味を示さず、ほとんど遊ばなくなり、いつもより休む時間が極端に長くなります。

このような無気力な状態が続くと、筋力低下や代謝の悪化を招き、さらなる健康問題につながることも…。

そのため愛猫が無気力な状態になっていたら、飼い主は積極的に遊びを持ちかけ運動を促してあげないといけません。

真空行動

猫が何もない空間で急に走り回ったり、飛び跳ねたりする行動を「真空行動」といいます。これは猫が、運動不足で余ったエネルギーを発散するために行う動きです。

とくに若くてエネルギッシュな猫によく見られ、身体的・精神的刺激が不足している証拠ともいえます。

そのためもし愛猫が真空行動をよく見せるようなら、運動不足を疑い、キャットタワーを設置したりおもちゃで遊んだりして、猫が自由に体を動かせる環境を作ってあげましょう。

問題行動

運動不足の猫は、ストレスや欲求不満からさまざまな問題行動を引き起こすことがあります。

過度な爪とぎやグルーミング、家具や壁を傷つける、夜中に大きな声で鳴く、攻撃的な行動、物を散らかすなどが典型的な例です。

これらの行動は、猫がたまったストレスを発散している証拠なんですね。もちろん、ストレスの要因には運動不足も含まれます。

これを放置すると、猫との関係が悪化したり、猫自身がストレスを抱え続けて健康にも影響を与える場合があります。

そのため問題行動が見られた場合は、猫と一緒に遊ぶ時間を増やしたり、好奇心を刺激するようなおもちゃを用意して、改善を図りましょう。

まとめ

キャットホイールで遊ぶ茶トラ

猫の運動は、健康維持に欠かせない重要な要素です。もし運動不足が続くと、肥満や健康問題を引き起こす可能性が高まり、猫の健康寿命を縮めかねません。

そのため毎日の運動時間を確保するのが理想。猫にとって楽しく、効果的な運動方法を選んで、室内でもできる範囲で積極的に運動させてあげてください。

愛猫の健康と幸せのために、運動習慣を取り入れて、元気な毎日をサポートしていきましょう。

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