1.なでなでついでに「張りやしこりの有無」を確認
猫のお腹周りを優しくなでながら、張りやしこりがないかを確認しましょう。
ほとんどの猫に備わっている「ルーズスキン」は柔らかい皮膚のたるみで、健康上問題ありませんが、触ったときに弾力が感じられるのであれば「肥満」の疑いがあります。
太っているからと勘違いしやすいのが、腹部全体の異常な張りです。
例えるのであれば水風船のような状態で、腹水などが発生している可能性があるため、顔や胸が痩せているのに腹部のみ張っているような場合は注意が必要です。
また、特にメス猫では、乳腺腫瘍が発生しやすいとも言われているので、乳腺付近を中心に、しこりがないかもよく確認してあげてください。
気づかぬうちに病気が進行していたということが起きないよう、小さな変化も見逃さないようにしましょう。
ただし、お腹を触られるのを嫌がる場合は、無理強いはしないようにしてください。
2.マッサージついでに「汚れ・匂い・脱水」を確認
顔周りをマッサージしながら、耳や口周りを観察し、汚れや匂いがないか気を配りましょう。
黒や黄色みを帯びた大量の耳垢や、異常な匂いがする場合には、外耳炎などが疑われます。
口臭は、特に高齢になってくると強くなる傾向があり、歯周病や口内炎のサインです。
これらの病気から愛猫を守るためには、耳掃除や歯磨きのお手入れを、飼い主さんが日頃から行うことも大切です。
また、肩甲骨付近をマッサージする際には、脱水状態をさりげなく確認してみてください。
首の後ろを軽くつまみ、元の状態に1秒ほどで戻れば正常ですが、なかなか戻らない場合は、脱水が心配されるため、早急な対応が必要となります。
3.指先を嗅がせるついでに「鼻水や鼻くそ」を確認
親しい猫同士は、お互いの鼻をつけて挨拶を行う習性があります。
私たち飼い主が猫に挨拶をする場合は、少しだけ方法を変えて、指先を猫の前に出し、匂いを確認させてあげてください。
猫が指先を嗅いでいる最中は、鼻水や鼻くそがついていないかを確認しやすいでしょう。
垂れるほど流れ、黄色く粘り気のある鼻水の場合は、アレルギーや猫風邪にかかっていることが考えられます。
一方、鼻くその場合は、いきなり多量に発生しているということでなければ、あまり心配する必要はありませんが、他の症状が出ていないかは、気にかけてあげてください。
基本的に自然に取れるものですが、コットンで丁寧に拭き取ってあげてもよいでしょう。
マッサージをするなら注意すべきことは?
マッサージをする際には、猫がリラックスしているときに行うよう配慮してあげましょう。タイミングを考えずに始めてしまうと、猫は突然のことに身構えてしまいます。
もし猫が嫌がるそぶりを見せた場合には、すぐに中断してください。
猫に喜ばれやすい首筋などのポイントも、力加減を間違えると強い刺激になってしまうため、優しく触れるように進めることがポイントです。
また、人間のマッサージでは、アロマオイルもよく使われることがありますが、アロマオイルの精油成分は、猫にとっては有害となる場合が多いため、使用を避けましょう。
手軽にできるスキンシップのひとつではありますが、対人と同じ感覚で行うと、思わぬトラブルに発展しますので、正しい知識を事前に身につけておきたいものです。
まとめ
毎日のなでなでやマッサージを通して、猫の健康状態を確認する習慣を身につけてはいかがでしょうか?
触ったり観察したりすることにより、張りやしこりといった小さな異変に気づけ、病気のタネを、早い段階から取り除くことができるでしょう。
口周りや耳、鼻などのパーツをよく観察し、汚れや匂いがないかを確認することも、健康チェックのひとつです。
正しいスキンシップは、お互いの信頼関係を深めることはもちろん、健康状態を把握するための大切な時間です。