猫は『洋服』を着るのがストレスになる?必要になる場合と、着せる際の注意点

猫は『洋服』を着るのがストレスになる?必要になる場合と、着せる際の注意点

生まれ持った猫柄こそが、唯一無二のおしゃれと言っても過言ではない猫ですが、洋服を着ることはストレスになるのでしょうか?本記事では、着用が必要になるシーンと、着せる際の注意点をご紹介していきますので、洋服を着せるかどうか迷ったときの参考にしてみてください。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫は『洋服』を着るのがストレスになる?

温かそうな洋服を着ている猫

全ての猫に必ず当てはまるワケではありませんが、猫は洋服を着ると、異物が肌に密着していることをストレスに感じる可能性があります。

さらに、布が覆われている箇所は、大切な習性であるグルーミングにも影響が出ます。

おとなしくなったり、なんとか脱ごうと抵抗したりする姿が見られるのであれば、猫が不快に感じているサインと言えるでしょう。

しかし、ときとして洋服を着せることが必要になる場合があるのも事実ですので、それらのシーンや着用時の注意点も確認していきましょう。

洋服が必要になるシーン

術後服を着ている猫

体を保護する

皮膚炎や体に炎症を起こしているときは、猫が掻いたり舐めてしまったりすることを防止しなければなりません。

言葉で理解させることが難しいため、洋服で物理的に保護することが有効です。

生後6ヵ月前後に受けることが推奨されている避妊手術後も、傷口に触らないように、一般的に「術後服」と呼ばれる洋服の着用を求められることがあります。

実際に筆者の愛猫も、避妊手術後に術後服を着用した経験がありますが、洋服を脱ぐ時期などは、必ず獣医師さんの指示に従ってください。

体温を調節する

体調を崩しやすいとされる寒暖差が激しい季節は、洋服を着せて温かくすることも1案でしょう。

特に体温調節が未熟な子猫や、機能が衰えている老猫は、自分だけでは体温調節が難しい場合もあります。

また、寒さに弱い短毛種の猫や、無毛で知られるスフィンクスに対しても、適切な防寒対策が求められます。

本格的な真冬の寒さに突入する前段階から、秋・冬用の猫ベッド、毛布、ホットカーペットなどを併用し、早めの対策に備えてください。

着せる際の注意点

洋服を着てごはんを食べている猫

着用中は常に見守る

さまざまな背景があるものの、洋服を着た状態はイレギュラーであるため、着用中は注意深く見守ってあげましょう。

たとえば、目を離している隙に嫌がって暴れたり、服の装飾やパーツを無理に取ろうと抵抗したりしているうちに、思わぬケガや誤飲・誤食をしてしまう可能性もあります。

一時的な寒さ対策として着せていた場合も、過度な着用はかえって熱中症を引き起こす要因となる可能性があるため、状況に応じていつでも脱がせられるようにしてください。

徐々に慣らし、無理強いしない

洋服を着用させる必要がある場合は、段階を踏んで慣れさせることが望ましいです。

はじめは短時間の着用に留め、ご褒美のおやつを与えながら徐々に時間を延ばしていきましょう。

なかには誕生日のお祝いやイベントのときなどに、おしゃれ着として着せたいと考える飼い主さんもいるかもしれません。

すんなり受け入れるような物怖じしないタイプ、抵抗するタイプと個体差はありますが、猫が抵抗している場合には着用を強要することは絶対控えてください。

適切なサイズ・素材を選ぶ

体にフィットしていない大きさだと、違和感を感じるだけではなく、体の保護や体温調節としての効果が不十分となってしまうため、サイズは慎重に選んであげましょう。

できるだけ普段どおりの生活が送れるように、派手な装飾のないシンプルなデザイン、動きを妨げない伸縮性のよい素材が理想です。

ボタン付きのタイプや頭からかぶるタイプなど、いくつかの種類に分かれていますが、着用の目的に合わせて、比較・検討されることをオススメします。

まとめ

洋服を受け入れてリラックスしている猫

洋服の着用は、猫によっては異物が肌に密着しているように感じ、ストレスになることがあります。

しかし、体の保護や体温調節においては、着用のメリットの方が大きい場合もありますので、洋服を着ない方がよいと一概には言えません。

体にフィットする着心地のよいサイズ・素材を選ぶことで、着用の効果を最大限発揮させるとともに、不快感を軽減させることが期待できます。

とはいえ通常とは違う状態であることには変わりはないため、洋服を着用中は、猫の安全のためにも、常に様子を見守ってあげましょう。

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