『長毛猫・短毛猫』それぞれのお手入れ方法とおすすめの道具

『長毛猫・短毛猫』それぞれのお手入れ方法とおすすめの道具

猫は被毛の長さで「長毛猫」と「短毛猫」に分けられています。お手入れ方法も、被毛の長さによって違う部分があります。そこで今回は、「長毛猫・短毛猫」のそれぞれのお手入れの方法やおすすめの道具をご紹介します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

「長毛猫」のお手入れ方法とおすすめの道具

シャンプー中の猫

被毛が長いため短毛猫と比べるともつれができやすいです。小さなもつれを放置すると毛玉になってしまうので、ブラッシングが大切です。

長毛猫は毎日ブラッシングをしましょう。春や秋の毛が生え変わる時期は毛玉ができやすいので1日2回ブラッシングを行った方がいいです。

もつれをとるためには細いピンがたくさんついた「スリッカーブラシ」を使います。

毛をかき分けて根本をとかすようにブラシを通します。ブラシで毛を引っ張ると皮膚も引っ張られて痛いので、皮膚が動かないように手で軽く押さえてブラッシングをすると猫が嫌がりにくいです。

このとき「ブラッシングスプレー」を使うことで、静電気による毛の絡まりを防いだり、ブラシの通りが良くなり痛くなりにくくすることができたりします。仕上げに「コーム」で体全体をとかしましょう。

1~3ヵ月に1回シャンプーをして、皮脂汚れやホコリや抜け毛を落とすと、ブラッシングがしやすく毛がからまりにくくなります。

シャンプーの前には丁寧にブラッシングをして、抜け毛をできるだけ事前に取り除いておきましょう。なおシャンプーは、必ず「猫用のシャンプー剤」を使ってください。

ドライヤーは、さきほどのスリッカーブラシでとかしながら、毛の根元をしっかり乾かすようにします。表面だけ乾いていて根元が濡れていると、猫は体を乾かそうとして体をなめ続け、たくさんの抜け毛を飲み込んで毛球を吐いてしまいます。

被毛に毛玉ができてしまった際に、ハサミで切ろうとしてそのまま皮膚を切ってしまうというケガが時折見られます。毛玉はペット用のバリカンで根本から丁寧に崩しながら取らなければなりませんが、猫が動くなど皮膚を傷つけてしまう可能性がある場合は、無理をせず動物病院やペットサロンに相談しましょう。

「短毛猫」のお手入れ方法とおすすめの道具

ブラッシングされて横になる猫

長毛猫と比べると毛玉はできにくいですが、ブラッシングは行いましょう。2日に1回から週に1回で十分です。ただし、換毛期には毎日行いましょう。

短毛種の猫は「ラバーブラシ」でブラッシングするのがおすすめです。シリコンゴムでできたブラシで、抜け毛を効率よく取り除くことができます。

なお、やりすぎると被毛が薄くなってしまうので注意しましょう。ちなみに、ラバーブラシにはマッサージ効果も期待できます。

短毛猫のシャンプーは、特に皮膚トラブルがない場合はしない、または年に1〜2回程度で大丈夫です。

ただし、猫によって皮膚や被毛の状態は異なるので、短毛猫でも皮脂で汚れやすい体質の猫は、シャンプーの回数を増やすなどしましょう。長毛猫と同じで、シャンプーをしたら根元をしっかり乾かすことが大切です。

まとめ

タオルに巻かれてシャンプーの泡を乗せた猫

今回は、「長毛猫・短毛猫」のお手入れ方法とおすすめの道具をご紹介しました。

特に長毛種では、毛玉ができてしまっての皮膚トラブルや、毛球症による胃腸トラブルが頻発しやすいので、日頃のお手入れは非常に重要です。

愛猫に適切なタイミングと方法でお手入れをして、気持ちよく快適な生活が送れるようにしてあげましょう。

ただし、猫によってはブラッシングを好まない場合があること、本来、体が濡れたり体に自分以外の香りがついたりすることを嫌う性質であることなどから、ブラッシングやシャンプーが大きなストレスとなる可能性もあります。

心臓病など外から気付けない持病がある猫に無理をさせると、病気を悪化させるリスクもあります。

健康な猫でも嫌がっている猫に無理やりブラッシングやシャンプーをすることで、飼い主との関係性が崩れることも危惧されますので、猫の性格やお手入れ時の様子をよく観察しながら行いましょう。

毛玉ができてしまったり、自宅ではうまくケアができないときは無理をせず、動物病院や猫専門のサロンなどに相談をしてください。

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