1.キャットフードの種類
愛猫の食事には、市販のキャットフードを与えているという人がほとんどでしょう。
30年前は5〜6歳だった猫の平均寿命がいまでは15〜16歳。10歳も長生きになった要因には、室内飼いや予防接種などのほかに、食事の質が良くなったからという理由もあります。
現在、日本で売られているペットフードの種類は「総合栄養食」「間食(おやつ)」「療法食」「その他の目的食」の4つに分類されます。総合栄養食には、猫に必要な栄養がバランスよく含まれ、飼い主が細かい栄養計算をしなくても良いので、毎日の食事に最適です。
総合栄養食とお水で基本的には猫に十分な栄養をとれるのがこのフードです。
最近のキャットフード(ドライフード)は、総合栄養食のものが多くなっていますが、一部のブランドには「一般食」も存在していますし、ウェットフードにも一般食が多くあります。購入する際には、パッケージの記載内容に注意するようにしましょう。
また、疾病管理のための「療法食」は、獣医師の指導のもとで使用することが前提です。療法食は、病気に合わせて特殊な配合で開発された食事のため、飼い主の自己判断で食べさせてしまうと、健康な猫にまで病気を引き起こす危険があるのです。
2.カロリー計算
実は、日本の猫の4割近くが太り過ぎというデータがあります。ぽっちゃりした猫ちゃんはかわいいものですが、長生きするなら太りすぎは良くありません。
太りすぎは、心臓の病気などを引き起こす原因になりますし、関節を痛めて歩けなくなることもあります。愛猫を不健康にしないためにも、食事のカロリー計算をするようにしましょう。
猫が一日に必要なカロリーは、体重や年齢、活動量などによっても異なりますが、一般的な成猫なら、体重1kgにつき50〜60kcalくらいが目安ともいわれています。4kgの猫なら、一日で200〜240kcalくらいになります。
カロリー計算にはやや違いがありますのでこれは参考値の一つととらえてください。
食べる量には、個体差があります。同じ量を与えても、太りやすい場合と体重維持できる場合があり、フードによっても太りやすいものもあります。愛猫にあった、適切なカロリーを知るには、かかりつけの獣医師に相談すると良いでしょう。
もちろん、食べ物には愛猫の好みもあるため、カロリー計算だけがすべてではありません。定期的な体重測定や体型チェックをしつつ、調整しながらおいしく食べさせることも必要です。
3.ドライフードとウェットフード
ドライフードとウェットフード、どちらにも良いところがあるので、猫の健康維持と長寿といった点を考えると両方をバランスよく与えることが良さそうです。
ドライフードは、保存性が高いことが何よりのメリットです。環境が整っていれば、8時間程度の置き餌も問題がないため、ちょこちょこ食いの猫でも、好きな時に食べることができます。カリカリと噛むことでストレス解消にも役立ちますが、全体的な水分摂取量が少なくなってしまうのが難点です。
一方、ウェットフードは水分を十分に含み、水分摂取量の少ない猫にも好まれますが、腐りやすく歯垢がつきやすいという欠点があります。缶詰の場合は、缶の処分がめんどうなこともデメリットでしょう。
ご存じのように、猫は食べ慣れない食事を嫌う傾向があります。ドライとウェットにも、好き嫌いがあるかもしれません。
しかし、将来、病気などによって自力で食べることが難しくなったときに、どちらの形状でも食べられる方が給餌しやすく、体力の維持、回復や延命につながる可能性が高まります。
できれば健康なうちから、ドライ・ウェットの両方に慣れさせることをおすすめします。
まとめ
愛猫の長寿を支える食事管理は、けっしてむずかしいものではありません。
キャットフードは総合栄養食をメインにし、愛猫の体型も定期的にチェック、そしてドライとウェットの組み合わせも、猫の好みに応じてすこしずつ取り入れていくだけで十分です。
毎日の食事は猫の健康を維持したり、将来の健康リスクを軽減できたりする重要な役割があります。これらの食事管理は、愛猫を大切にする飼い主にとって「基本のキ」ともいえるでしょう。
もちろん、食事が完璧でも、環境や加齢などによりさまざまなリスクはありますが、正しい知識とほんの少しの配慮でご長寿の20歳を目指せるかもしれません。