愛猫の「声が枯れている」ときに考えられる原因と対処法
愛猫の「ニャー」という声が急に枯れていたら心配になりますよね。猫も人間のように、時々声が枯れてしまうことがあります。
そこで今回は、愛猫の「声が枯れている」ときに考えられる原因とそれぞれの対処法について解説いたします。
1.寝起きだから
声が枯れているタイミングが寝起きだけであれば、それほど心配しなくても大丈夫です。皆様も経験があると思いますが、猫も起床後は一時的に声が枯れることがあるのです。
基本的には様子を見るだけで良いのですが、室内が著しく乾燥している場合は加湿すると声枯れを予防することができるでしょう。
猫が快適に過ごせる湿度は50%〜60%です。加湿器や室内干しを上手に活用してみてください。
2.鳴きすぎによる喉の酷使
不安やストレス、あるいは病気が潜んでいる場合、ひたすら鳴き続けることがあります。
そうすると必然的に喉を酷使することになるため、声が枯れてしまうのです。このケースではまず、根本的な原因を探ることが重要です。
ここ最近で愛猫を取り巻く環境に変化はなかったでしょうか。
たとえば、「新入りの動物がやって来た」「引越しをした」「仲良くしていた同居動物が亡くなってしまった」などです。
思い当たる節があれば、落ち着ける環境を整えてあげて、その猫の不安を取り除いて様子をみてあげましょう。
なお、極端に元気がない、食欲がないなどの症状がある場合には、様子見をせずに速やかにかかりつけの獣医さんに相談してみてください。
泌尿器系の病気や甲状腺の病気などが潜んでいる場合でも頻繁に鳴くようになりますので、原因がわからない場合の声枯れは、病院への相談をおすすめします。
3.未避妊による発情期
「鳴き過ぎによる喉の酷使」という意味では前章と同じなのですが、特に「未避妊による発情期」での鳴き過ぎによる喉の酷使については別途解説しておきましょう。
愛猫が未避妊の場合、発情期が来る度に大声で鳴き叫びます。個体差はあるものの、場合によっては近隣トラブルに発展する恐れがあるレベルだと想定してください。
愛猫の声が枯れることはもちろんのこと、諸々日常生活に支障を来たしてくるでしょう。繁殖を望まない場合は、その猫の避妊手術を検討してください。
メス猫は生後6ヶ月頃、オス猫の場合は6ヶ月〜1歳頃を目安に受けておくと安心です。将来的にリスクのある乳腺腫瘍や前立腺の病気を防ぐ手立てにもなるので、かかりつけの動物病院に相談してみると良いでしょう。
4.猫風邪やがんなどの病気
猫ヘルペスウイルスやカリシウイルスなどの猫風邪や、咽頭炎を発症した場合にも声が枯れるという現象が起こります。
特に季節の変わり目は要注意で、免疫力が不安定な子猫や低下気味の高齢猫は重症化する恐れがあります。
また仮に、若くて健康な猫であっても猫風邪に罹ったことがある場合は同様に注意が必要です。猫風邪のウイルスは厄介者で、一度罹ると体内に残り続ける傾向にあります。いつでも再発する可能性があると考えて良いでしょう。
ガサガサ声に加えてくしゃみや鼻水、食欲不振や咳といった症状があれば早めに受診してください。
また、喉あたりに腫瘍ができることで鳴き声が変わることがあります。明らかな鳴き声の変化、食べ物を飲み込みづらそう、呼吸が深くなったり息がしづらそう、といった症状があればすぐに動物病院で相談しましょう。
5.まだ鳴き慣れていない
子猫はまだ鳴き慣れていないことが多く、思うように発声できない場合があります。他に原因がない場合は徐々に鳴き方をマスターしていくので、温かく見守ってあげましょう。
ただし、生後2ヶ月頃の子猫と暮らす飼い主さんは体調の変化に気を配ってください。この月齢は、母乳による獲得免疫を失う時期に当たります。子猫期においては最も猫風邪を引きやすい状態です。
過ごしやすい室温をキープすること(最低でも25〜26℃)、湿度を意識すること、ワクチン接種で新たな免疫をつけることなどの工夫を凝らして危機を乗り越えましょう。
まとめ
今回は、愛猫の「声が枯れている」ときに考えられる原因と対処法について解説いたしました。
猫の「声が枯れている」と一口に言っても、様々な原因がありましたね。些細なことではありますが、放置すると命をも脅かすケースがあることを覚えておきましょう。
また、問題がないかどうか判断に迷った場合は診察を受けてください。病気が潜んでいるケースでは、早期発見・早期治療を経て改善するものであれば早いに越したことはないでしょう。
愛猫の声に違和感があれば、細かな状況を整理してみると良いですね。場合によっては実際の音声を録音、もしくは動画に収めておくと診察時に役立ちます。