猫の「ウールサッキング」を知っていますか?誤飲につながる危険な習慣

猫の「ウールサッキング」を知っていますか?誤飲につながる危険な習慣

猫が布を吸っている姿を見たことはありませんか?もしかすると「ウールサッキング」という問題行動かもしません。今回は、ウールサッキングとはどのような行動なのか、注意点や対処法も含めて詳しく解説します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

ウールサッキングとは?

ニットの間に入り込んでいる猫

ウールサッキングとは、布を吸ったり、噛んだりする行動で「毛織物吸い行動」とも呼ばれています。

ウールのほかにも、フリース、毛布などの布が標的になりやすいです。そのほかビニールやプラスチックを舐めるようになる猫もいます。

また猫によっては、ちぎれた布を飲み込んでしまうことも。布は消化できませんので、最悪の場合は、腸に詰まってしまう可能性もあります。

愛猫が執拗に布を吸うようになったら注意しましょう。

ウールサッキングの原因

ミルクを飲んでいる子猫

猫がウールサッキングをおこなう明確な理由はわかっていませんが、以下のようなことが原因として考えられています。

  • ストレスや不安
  • 早すぎる離乳
  • 遺伝

ウールサッキングは、ストレスなどが原因となり、目的もなく同じ行動をくり返す「常同障害」の一種だとされています。そのためストレスや不安などがウールサッキングの原因になるのは自然なことでしょう。

また離乳が早かった猫は、母親のぬくもりを求めて柔らかい毛布などを吸うようになることがあります。この場合は、成長とともに落ち着く場合も多いでしょう。

そのほかシャム猫、バーミーズ、バリニーズなどの一部の猫種はウールサッキングをしやすい傾向があると言われています。そのため遺伝も原因のひとつと考えられています。

ウールサッキングをする猫は誤飲に注意

ヘソ天で寝ころんでいる猫

ウールサッキングで注意が必要な点は、布を吸っているうちに飲み込んでしまう危険性があることです。少量であれば、吐き出すこともできますが、吐き出されずに腸に運ばれると、腸内でひっかかり詰まってしまう腸閉塞をおこす場合があります。

腸閉塞をおこすと、詰まったものを取り出す手術が必要となるため、猫はもちろん、飼い主さんにとっても大きな負担となってしまいます。

ウールサッキングの対処法

ブランケットから顔を出している子猫

ウールサッキングの対処法は、原因を知ることからはじまります。原因に合わせて適切に対処することで落ち着くこともあります。

たとえば、ストレスが原因ならば環境を改善することが大切です。また運動は気をまぎらわしたり、ストレス解消をしたりするのに効果的です。

同時に、ウールサッキングの対象物を口にできないようにし、代わりに噛んでも問題ないおもちゃなどを用意してあげてください。

もし対処法を試しても改善が見られない場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

まとめ

ブランケットの上でくつろいでいる猫

猫のウールサッキングの多くは、ストレスや不安が原因になっていると考えられます。

布を吸っているだけなら大きな問題にはなりませんが、ちぎれた布を食べてしまうようになると、腸閉塞を引き起こすこともあり大変危険です。気づいたらできるだけ早めに対処するようにしましょう。

ウールサッキングが疑われたら、原因を探り猫のストレスとなるものを排除する、適度な運動をさせるなど、生活スタイルを見直すことが大切です。

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