1.耳やしっぽだけで返事をする
猫がめんどくさいと感じているときの仕草のひとつが、しっぽや耳だけで返事をすることです。「猫あるある」ですね。
愛猫の名前を呼んだときに振り向くこともせず、耳をこちらに向けるだけか、しっぽをブルンと動かすだけの反応を見せることがあります。これは猫が、飼い主の呼びかけに興味がなく、要求に応えるのがめんどうだと感じている状態です。
振り返ってこちらを見たり、鳴いて返事をしたりしないのも、「いまは動きたくない」という猫の意思表示なのです。
ただ、耳やしっぽを動かしているのは、呼びかけは聞こえているということ。猫としては、とりあえず返事をしているつもりかもしれません。特に急用でなければ、そっとしておくのが良さそうです。
2.横になったまま食事をする
愛猫がゴロゴロと横になり、そのままの姿勢でお皿に口をつけて食事をしているのは、究極的なめんどくささを感じています。なかには、手でお皿からフードを出して落ちたものを食べる猫もいるようです。
どう見ても、起きあがって食べたほうが食べやすいはずです。それなのに横になったまま食べるのは、実は「あまり空腹感は感じていないものの、目の前に食事が出されたので食べる」という打算的な思考から来ています。
もしかしたら、あとで食べようとしても片づけられてしまうか、ほかの同居猫が食べて自分の分がなくなってしまうのをわかっているのかもしれません。
「めんどくさいけど、とりあえず食べておこう」という気持ちなのでしょう。
3.寝たふりをする
もはや何もかもがめんどくさい。反応するのもめんどくさい。そんなときに猫は、寝たふりをすることがあります。その姿は、まるで通勤ラッシュの電車内にいる乗客のようです。
猫が寝たふりをするときは、めんどくさいと思う以上に、外界をシャットアウトしてしまいたいという気持ちがあります。
たとえば、飼い主が近づいてもかたく目を閉じて動かないときには、飼い主の相手をするのはめんどくさいと感じている証拠です。なかには頭を手で抱え込んで、ぎゅっと丸くなる猫もいます。寝ているアピールです。
こんなときに、飼い主側が遊んでほしくてアピールするのは逆効果です。愛猫の気持ちを尊重して、「あら、〇〇ちゃんたら寝てるのね」と聞こえるように言ってあげましょう。きっと薄目を開けて、コチラを見てくることでしょう。
猫がダルいと感じる原因は?
猫がめんどくさがるのには、いろいろな理由が考えられますが、根本的な理由に「必要以上のエネルギー消費を好まない」という、実にネコ科らしい理由があります。
猫が眠いときや、体力を温存したいときには、動きも鈍くなり、何をするにもダルそうに見えます。これはエネルギーを節約しようとする本能からくるもので、暑いとき、寒いときも同様です。エネルギーを蓄えておきたいときは、呼びかけに対してもそっけない反応を見せます。
さらに、猫の気持ちに反してしつこくされることも、猫は精神的にめんどくさいと感じます。特にブラッシングや爪切りなどを好まない猫にとっては、その必要性も理解できません。
そのため、飼い主の手にブラシや爪切りを持っているのが見えてしまうと、無視したり、寝たふりをしたりして猫はやり過ごそうとするのです。
めんどうなことから逃れようとする猫の仕草は、まるで人間の子供のようですね。
まとめ
猫が「めんどくさい」と思っているときの仕草は、単なる怠け心だからではありません。それは、エネルギーを保存する本能からきている行動でもあるのです。
また、猫が「自分は応える必要がない」と考えているときも、同じような仕草が見られます。ずいぶんとそっけない態度を取られてしまいますが、嫌われたかもと心配することはありません。
飼い主の呼びかけに耳を向けるだけの姿や横になったまま食べる行動は、猫が完全に安心している証拠です。そっけない態度に見えても、愛猫がリラックスしていると受け止めて大丈夫です。