1.お腹を下にしてじっとしている
猫がお腹を下にしてうずくまった状態で、ずっと同じ場所にいるときは、お腹に痛みを感じている可能性があります。
横になってすぐは、うずくまったような姿勢になることもありますが、健康な猫はしばらくすると、場所を移動したり、足を投げ出したりするなどリラックスした体勢になるのが普通です。
そのため長時間うずくまった体勢でいるときは体調が悪くないか確認する必要があります。
腹痛でうずくまっているときは、同時に元気がない、寝ている(目を閉じてじっとしている)ことが増えるといった様子が見られる場合が多いでしょう。
2.部屋の隅っこに行く・隠れる
猫はお腹が痛くなると、目立たない部屋の隅っこや薄暗い場所に身を隠す、飼い主さんの手が届かない高い場所に隠れるなど人目を避ける傾向があります。
これらの行動は、天敵に体調不良を悟られないようにするためのものです。野生では、体調が悪いことを敵に気づかれるのは命取りになりかねませんので、見つからないように身を隠して回復を待つのです。
愛猫が、いつもと違う場所でじっとしている、薄暗い場所から出てこないといったときは腹痛、またはそのほかの体調不良を疑う必要があります。
3.遊びに誘っても反応しない
お腹が痛いと感じている猫は、いつもと比べて元気がなくなり、大好きなおもちゃにも興味を示さなくなります。また声をかけても振り向かないどころか、耳さえ動かさないなど呼びかけに無反応になることも。
もちろん健康でも遊びたくない気分の時もあるかもしれませんが、このように、いつもより長時間飼い主さんの働きかけにまったく反応をしないときは、痛みにじっと耐えている可能性が考えられるでしょう。
4.お腹を触られるのを嫌がる
お腹を触られるのを嫌がる猫は多いですが、腹痛のときは、いつにも増してお腹を触られるのを嫌がるようになります。猫のお腹には重要な臓器が多く、腹痛のときに触られると、痛みが強くなったり、不快に感じたりするためだと考えられます。
とくに普段はお腹をなでても大丈夫な猫が嫌がるときは注意が必要です。なんらかの異常を感じている可能性が高いでしょう。
痛みが強いときは同時に、お腹を下にして隠す、身を固くしてお腹を守ろうとするなどの行動が見られます。
痛みを軽減するためにできること
腹痛の原因となる病気は意外と多いものです。猫が腹痛を感じていると思われる場合には、自己判断をせずに動物病院を受診し、重篤な病気が隠れていないかどうか確認しましょう。
もし腹痛の原因が慢性的な便秘や大腸炎であれば、お薬のほかにキャットフードを消化の良いものや、お腹の調子を整えてくれる成分が配合されているものに変えるのもおすすめです。
またサプリメントを利用する、嫌がらなければマッサージをするなども効果的な場合があります。気になる場合は、獣医師に相談すると良いでしょう。
まとめ
猫は体の痛みを隠す習性があります。これは、野性時代のなごりで、体調不良を悟られると天敵に襲われやすくなるためだと考えられています。野生の猫にとって、命を守るためには重要な習性だったのでしょう。
しかし人間と暮らす猫のようになった今では、残念な習性と言えるかもしれません。痛みを隠すせいで、病気に気づかず、悪化してしまうケースも多いのです。
猫の病気は、早期発見、早期治療が必要なものも多く「腹痛」にも同じことが言えます。愛猫の様子を日頃からよく観察し、腹痛のサインが見られたら早めに対処するようにしましょう。