猫の気持ちを考えた正しい抱き方5つのポイント
猫の気持ちを考えた抱き方は、猫にストレスを与えずに、なおかつ安定した形で抱くことができます。
以下のポイントを意識すると、猫にとって安心できる抱っこになります。
1.体全体をしっかり支える
猫を抱き上げたら、猫のおしりがグラグラしないように、腕と手を使ってしっかりと同時に支えてあげましょう。
片方の上は猫の脇から通して、上半身を支えます。抱き上げられても、床の上にいるくらいの安定感があると猫も安心します。
2.前足を自由にさせる
抱かれている状況に、怖さを感じてしまうと抱っこ嫌いになってしまいます。抱き上げられているときも、猫自身がいつでも抱っこをやめられる、降ろしてもらえる選択肢があると感じられると、リラックスできます。
3.ゆっくりと穏やかな動作で抱く
抱くときも抱っこしているときも、猫にとっては飼い主の体の支えがすべてです。そのため、走ったり、上下したりするなど、急な動きで猫は不安になります。ストレスを軽減するためにもゆっくり動くようにしましょう。
4.強く抱きしめすぎない
しっかり支えていても、ぎゅうっと抱きしめるような圧迫感は与えないようにしましょう。上半身を強く拘束されると嫌がる猫は多いものです。数cmのゆとりを持ち、猫がもたれかかれるくらいの距離が最適です。
5.猫の気分に合わせた抱き方をする
あまり強く抱きしめないことは大切ですが、猫がリラックスしている時は体がふにゃふにゃになるので、落とさないようにしっかり抱きましょう。
一方、猫のテンションの高い時や初めての抱っこでは、すこしゆるやかに抱くと良いでしょう。
猫を抱き上げるときの基本的な姿勢
猫を抱っこする前に、周囲に十分気を付けましょう。ゆったりと座れる場所か障害物にぶつからずに立っていられる場所を選びます。物につまずくと猫を落としてしまう危険があります。
やわらかい猫の身体はグネグネと動きやすいので、しっかりと抱っこしてあげないと猫の体が不安定になります。正しい姿勢で抱くことで、猫も安心していられるでしょう。
抱き上げるときに向かい合わせにすると、前足を突っ張って拒否することもあります。横向きか後ろから猫の胸に腕を回し、反対の手で猫のお尻を支えてから持ち上げます。
抱き上げた猫は、程よい距離で自分の体に寄せてあげるとお互いに安定します。ただし、あまり強く抱きしめると不快感を与えます。猫の「寄りかかる壁」になったような気持ちで抱くとちょうどいいでしょう。
猫を抱っこするときの基本姿勢は、猫の安全を保つためにも大切です。
よくある間違い抱き方
次のような抱き方は、猫の身体に適していない間違った抱き方です。
- 猫を仰向けにしたお姫様抱っこ
- 前足を動かないようにする
- 長時間の抱っこ
仰向け抱っこは、猫の弱点であるお腹をさらけ出すことになります。気温の高いときやリラックスしているときに、猫が自分で「ヘソ天」になる分には問題ありませんが、人の手で仰向けの姿勢を維持させると猫の不安感をあおります。
同じように前足の拘束も、猫に抱っこをやめる選択肢がないと感じさせ、ストレスを与えてしまいます。また、長時間抱き続けるのも、同じように猫を疲れさせます。
いずれの場合も猫が嫌がって体をくねらせ始めた段階で、すぐに放してあげれば大きな問題にはならないでしょう。
正面を向いて抱かれるのが好きな子や、飼い主の肩ごしにうしろを見るのが好きな子など、それぞれ好みもあります。抱いたときの猫の反応を観察しながら、個々の猫に合った快適な抱き方を見つけていくことが大切です。
まとめ
猫の抱き方は、単なる技術的なスキルではなく、猫とのコミュニケーションの一部です。飼い主が正しく抱くことで、猫もストレスなく安心して抱っこされることができます。
また、毎日のスキンシップだけでなく、通院などでキャリーに入れるときや、お掃除などで「ちょっとどいて〜」という時に抱き上げることもあるかもしれません。
このように単に抱き上げるときも、基本の姿勢を保つようにしましょう。
猫の身体的な安全を確保しつつ、安心感を与えること。そして、猫の気持ちを考えて柔軟に対応することが大切です。抱っこができると心の距離も縮まるので、ぜひマスターしてみてください。