1.隠れられる場所を用意する
猫は狩りをしていた野生時代の名残で、暗くて狭い場所に入ることを好みます。背中や周りを囲われている状態であれば、後ろから不意に襲われる可能性が少なくなるため落ち着けるのです。
リラックスしたい時はもちろんのこと、ストレスや不安・恐怖を感じた時、体に痛みや違和感を抱えている時にも安全な場所に隠れて過ごします。
室内では以下のような所にスペースを設けると良いでしょう。
- 押し入れ、クローゼット
- 背の高い家具の上
- キャットタワー
- ベッド下
- 段ボールの中
ストレスからくる問題行動を減らすことにもつながりますので、自宅の中に猫の隠れ家があるかチェックしましょう。
2.トイレは「猫の頭数+1個」設置する
猫はとてもキレイ好きな動物です。トイレが汚れていることがストレスになり、排泄を我慢したり粗相したりというような問題行動につながるほか、膀胱炎など泌尿器系の病気の原因になることもあります。
また、トイレに排泄物が長時間入ったままで菌が繁殖すると、感染症のリスクも高くなります。
もちろん可能であれば、こまめに猫トイレの掃除を行うのが理想です。しかしもしそれが難しいのであれば、猫の頭数より1個余分にトイレを設置することで、猫のストレスも減らしつつ、快適に過ごしてもらえるようになるでしょう。
多頭飼いの場合も基本的には『猫の頭数+1個』の考え方ですが、部屋の広さや飼育頭数によってはトイレが置ききれないこともあるかもしれません。その場合には、いくつか設置して観察してみて、トイレを共有している子たちはまとめてカウントしても良いでしょう。
3.上下運動ができる場所をつくる
猫は平面を走り回るよりも、高いところにジャンプして上ったり下りたりする運動を好みます。家の中では行動できる範囲が限られてしまい運動不足になりやすいので、健康維持のためにも上下運動ができる環境を整えましょう。
キャットタワーやキャットステップを設置したり、家具の配置で段差を作ってみるのも一手です。子猫や高齢猫、障がいを持つ猫の場合は、転落や転倒の危険があるので、低めの段になるように考慮してください。
また、高い場所は部屋全体を見渡せることから、猫にとって安心できる場所にもなります。猫が思い切り体を動かしてエネルギーを発散でき、心からくつろげる…そんな空間にできると良いですね。
4.水飲み場を多くする
猫はもともと砂漠地帯出身の動物で、あまり水を飲まなくても体内でうまくやりくりができるようになっています。しかし、水分不足は脱水症状を起こすだけでなく、尿を濃くしてしまい尿路結石などの病気も引き起こします。
猫は、水飲み場が多いほど水をしっかり飲むようになると分かっているので、少なくとも「猫の頭数+1箇所」は設置しましょう。普段ご飯を食べる所のほかに、猫がよく通る場所に水飲み場を増やすことをおすすめします。
ただしトイレの場所の近くにはおかないように気を付けましょう。
5.爪とぎを設置する
猫がよくする爪とぎには様々な目的があります。
- 古い爪をはがしてお手入れする
- 臭腺から出る自分のニオイをこすりつけて縄張りを主張する
- 飼い主にアピールする
- ストレスを発散する
- 気分を落ち着かせる
爪とぎができないと爪が伸びすぎてしまったり、発散できないストレスが溜まって体調不良の引き金となってしまったりします。爪とぎがないと分かれば、そこら中でガリガリ爪とぎしてしまい部屋の家具や柱を傷つけることも…。
部屋の被害を抑えるのもそうですが、猫の心の健康を保つためにも部屋の中に爪とぎを設置しましょう。段ボールタイプや麻縄タイプなど色々ありますので、猫の好みなどで選んでください。
まとめ
今回は、猫と少しでも長く一緒にいるためにチェックしたい「環境作り」のポイントを5つ解説しました。
猫が持っている習性を考慮した部屋のレイアウトにすることで、猫の健康を害する大きな原因となるストレスの軽減をはかれます。
飼い主側の都合で折り合いがつきにくい部分もあるかとは思いますが、猫ファーストの目線を取り入れて、愛猫が安心してのびのび過ごせる空間を作っていきましょう。