多頭飼育で猫が『仲間の猫を忘れる』4つの可能性 再び慣らすための対処法も

多頭飼育で猫が『仲間の猫を忘れる』4つの可能性 再び慣らすための対処法も

多頭飼育には様々な課題がありますが、急に仲間の猫のことを忘れてしまったかのように振る舞うこともあります。今回は、猫が「仲間の猫を忘れる」可能性と再び慣らすための対処法について解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.猫に別の匂いがついた

フローリングに座る2匹の猫

まず一つ目は別の匂いが付着したパターン。

猫にとって、匂いは大事な情報源です。匂いを分析することで、相手の情報を把握することができます。その匂いが別のものと変わった場合、猫は混乱し勘違いをすることがあります。

たとえば、一緒に暮らしている猫が自宅以外の場所に出かけた、動物病院で消毒液をかけられたといった状況だと、様々な匂いがその猫に付着します。結果的に匂いの情報が複雑になって、猫は一緒に暮らしている猫ではないと勘違いしてしまうパターンが考えられます。そのため急に威嚇をしたりする行動がみられることがあります。

2.長い間、離れていた

匂いを嗅いでいる猫

人間同様、猫同士が長い間離れて暮らしていた場合、お互いのことを忘れてしまう可能性があります。

離れている期間が長いほど、忘れてしまうリスクは高くなることでしょう。離れている間に猫の匂い情報が変わってしまうことも忘れてしまうリスクを高める要因のひとつかもしれません。

数日間程度であれば、そこまで深刻ではありませんが、数年単位の場合はお互い忘れてしまう可能性が高いと思ってもよいでしょう。

3.加齢

寄り添う2匹の猫

猫も加齢と共に身体や認知機能が著しく低下していきます。記憶力も例外ではなく、歳をとることで衰えていきます。個体差こそありますが、ボケに近い症状を引き起こし一緒に暮らしている猫のことを忘れてしまう可能性も考えられます。

歳をとった猫は、記憶力が低下するだけでなく様々な病気のリスクも高くなる年代です。定期的に動物病院で健康診断を受けさせるなど適切なケアを心掛けてあげましょう。

4.見た目が変わった

エリザベスカラーを付けている猫

猫は視力があまり良い動物ではありません。そのためだいたいの輪郭で対象を把握しているといわれています。その輪郭に何かしらの変化が起こると猫は対象を識別できなくなる場合があります。

たとえば、同居猫が手術などの影響で毛を剃った、エリザベスカラーを装着したなどシルエットが大きく変化した場合、猫は初めて出会った相手のようなリアクションを取る可能性があります。

再び慣らすためには

かくれんぼしている2匹の猫

猫が同居猫のことを忘れてしまったような時や急に態度が変わった時は、下記のような対処法が効果的です。

  • 同居猫の匂いを少しずつ嗅がせて思い出させる
  • ケージなどに入れて少しずつ慣れさせていく

「忘れている」と表現していますが、元々猫は記憶力がいい動物です。完全に同居猫のことを忘れてしまうことはそう多くはありません。何かの拍子に同居猫のことを思い出す可能性も十分あります。

何らかの理由で猫が同居猫のことを忘れてしまったり態度が変わったときは、時間をかけて一緒に暮らすことで少しずつ思い出させることが期待できます。

まとめ

にらみ合う猫

猫は記憶力がいい動物ですが、長期間会わなかったりすると一緒に暮らしていた猫のことを忘れてしまう可能性はあります。

とはいえ、匂いを嗅いだり一緒に暮らしていくうちに少しずつ相手のことを思い出す可能性も十分あります。

今回の記事を参考に、猫が同居猫のことを忘れてしまったときは時間をかけて少しずつ思い出させてあげてください。

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