愛猫が『夏バテ』を起こしている4つのサイン 対処法や予防法も

愛猫が『夏バテ』を起こしている4つのサイン 対処法や予防法も

猫は暑さに強い動物と言われています。とはいえ、蒸し暑い日本の夏は猫にとっても辛いものです。最近は40度近い気温になることも増え、熱中症で緊急搬送されたというニュースが連日のように聞かれます。そんな日が続くと、さすがの猫も夏バテしてしまいます。今回は、猫の夏バテサインを4つ紹介します。本格的な夏を向かえる前に、ぜひ覚えておきましょう。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.ご飯を食べない

ご飯から顔を背ける子猫

暑い日が続いたときに、猫がご飯を食べなくなったら、夏バテのサインかもしれません。夏バテになると、胃腸の調子が悪くなり、ご飯が食べられなくなるのです。

まったくご飯を口にしないときは、早急に動物病院を受診してください。

もし少しでも食べているなら、トッピングがおすすめです。いつものご飯にトッピングをすることで、食欲が刺激されて食べはじめる場合があります。トッピングは、普段から食べ慣れているウエットフードやふりかけが良いでしょう。

ウエットフードは、食事と水分補給が同時にできるので、とくにおすすめです。

2.ぐったりして元気がない・寝てばかりいる

寝ている猫

猫は暑さで体力を消耗すると、動かずにじっとして体力を回復しようとします。「よく寝ているな」「あまり遊ばないな」と感じたら注意しましょう。夏バテの可能性があります。

同時に以下の症状が見られないか、愛猫の様子をよく観察してください。

  • 昼夜問わず寝ている
  • ぐったりしてだるそうに寝ている
  • 遊びに誘っても反応が鈍い
  • 暗い場所に隠れて出てこない
  • 毛づくろいが減っている
  • ご飯の時間になっても要求しない

もし気になることがあれば、早めに動物病院を受診しましょう。

3おしっこの量と回数が減る

トイレの入り口で上を見上げる猫

暑い時期に猫のおしっこの量や回数が減ったときは、夏バテが疑われます。夏バテで食欲がなくなると同時に水分摂取量も減るため、当然おしっこの量と回数も減る可能性が高くなるというわけです。

猫はもともと、水をあまり飲まない動物ですが、不要なわけではありません。水分摂取量が少なくなれば、脱水症状につながる可能性があります。

おしっこの量や回数が明らかに減ったり、飲んでいる水の量が少ないなと感じたら、ウエットフードや水分摂取用のゼリーを与えるなどして、水分補給を行いましょう。

そのほかにも、味付けをしていない肉の煮汁をドライフードにかける、水の器を複数設置する、自動給水器を使うなどの方法もおすすめです。

4.嘔吐・下痢をする

猫とトイレットペーパー

猫の夏バテでは、嘔吐や下痢も多い症状です。胃腸の働きが落ちるせいで食べたものを消化吸収できなくなるためです。

嘔吐や下痢は、体内の水分もいっしょに出してしまうため、脱水症の原因になります。夏バテをしている猫は水分不足になっていることも多く、嘔吐と下痢を繰り返している場合はとくに危険です。早急に動物病院を受診しましょう。

食事でも水分補給ができるように、ウエットフードにする、ドライフードをふやかすなどの対策がおすすめです。

猫の夏バテを予防する方法

扇風機の前に座っている猫

夏バテを予防するためには、快適に過ごせるように環境を整えることが重要です。たとえば、室内の温度と湿度に注意する、ひんやりグッズを使うなどがあるでしょう。

猫が快適だと感じる夏場の室温は26〜29度、湿度は50%〜60%だと言われていますが適温や適切な湿度はその子の体質や呼吸器などの持病などによる全身状態によって異なります。エアコンや除湿器を使うなどして、これらの室温と湿度を保つように心がけてください。

ただし子猫や老猫は、エアコンで冷えすぎてしまう可能性があります。寒いなと感じたときに移動できるように、部屋の扉は少しだけあけておきましょう。

猫が暑いなと感じたときに涼めるように、接触冷感素材のマットやベッド、大理石や珪藻土のマットなどのひんやりグッズも用意しておくと良いです。

また夏バテ予防では、いつでも新鮮な水が飲めるようにしておくことも大切です。

まとめ

ハンモックで寝ている猫

暑くなると猫も人間のように夏バテをします。最近は日本でも40度近い気温になることが増え、猫にとっても大変過酷な環境と言えるでしょう。

夏バテを予防し、快適に過ごしてもらうためには、エアコンなどの冷房器具を使うなどして、室温を下げることが重要です。とくに体力のない子猫や老猫がいる場合は注意しましょう。

また猫は体の痛みなどの苦痛を隠す動物です。少しでも「おかしいな」と感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。

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