1.狩猟本能が刺激されるから
「だるまさんがころんだ」のように、対象物に静かに近づく動きは、狩りの様子に似ています。
猫はもともと狩猟動物です。本能に狩りをする欲求があるため、忍び足で近づく行為は狩りの疑似体験になるのでしょう。
また、補食動物には獲物を追いかける習性もあります。猫がなにかを追うときは「獲物」を狙うハンターの気持ちになっているので、「だるまさんがころんだ」の動きにその状況が重なるのかもしれません。
いずれにしても、狩りをしたい衝動にかられた猫は、遊びを通じて狩りの疑似体験をするというわけです。
2.飼い主さんと遊びたいから
家の中で暮らす猫にとって、飼い主さんは良き「遊び相手」です。
イエネコは本当の狩猟はしないので、その疑似体験となる遊びを通じて運動不足やストレスを解消します。だからこそ、猫たちは自分から飼い主さんを遊びに誘うことがあり、9割以上の飼い主さんが「猫から遊びに誘われたことがある」と感じています。
そんな猫たちにとって「だるまさんがころんだ」は、まさに飼い主さんとの楽しい遊びの時間。飼い主さんに相手をしてもらったりコミュニケーションをとったり、猫に「楽しい」「嬉しい」という感情が出るからこそ、上手に遊べるようになるのです。
3.「目」のつくりによるもの
猫の視力は意外と低く、人間でいうと0.1~0.2。一般的な人間の視力の10分の1ほどしか見えないといわれています。
しかし猫は動体視力が優れているので、動いているものを目で追う力は有能です。逆に、静止しているものを見ることが困難と言われています。
「だるまさんころんだ」は、「動く」と「止まる」を交互に行う遊びです。そのため、猫はピントを合わせるために目で追い、また動き出したものを追う、という流れで、上手にこの遊びが継続させているのかもしれません。
猫と「だるまさんころんだ」を遊ぶためのコツ
猫が上手に「だるまさんころんだ」をする理由をチェックしたところで、実践できる遊び方のコツをご紹介します。
おもちゃを使う
猫を誘い出すために、猫じゃらしやおもちゃを使う方法があります。
猫が「追いかけたい」という気持ちになれば、その時点で「狩猟モード」がONになり、「だるまさんがのコツんだ」をスタートさせやすいからです。
あるていどの距離をとる
猫の「だるまさんがのコツんだ」は、「狩りをしたい」という気持ちでスタートするものなので、ある程度の距離を取る必要があります。
近すぎても狩猟本能はくすぐられませんし、遠すぎても見えません。実際の適度な距離については愛猫の様子をみながら見つけてくださいね。
死角を上手に使う
猫は、穴の中に見え隠れする動くものを「獲物」として認識することが多いです。
たとえば猫じゃらしひとつでも、全体の動きが見えるより、一部が少し見えるだけの方が想像力をかきたてられるもの。
そのため、「だるまさんがころんだ」を始めるときは、猫の死角を利用して誘い出すのがコツですよ。
まとめ
猫はもともと遊ぶことが大好きなので、当然「だるまさんがころんだ」も大好きです。何度か「だるまさんが転んだ」を体験して、この遊び方が気に入った猫は、自分から誘ってくるようにもなります。
猫には狩猟本能がありますが、実際に野生で暮らしたり母猫から狩りを教えてもらったりしないと、本当の狩りはできません。しかし、イエネコたちにとって狩りの疑似体験獲は貴重な運動となり、生きがいにもなります。
猫の性格や年齢によっては「だるまさんころんだ」をやらない猫もいますが、上手に遊びに誘って遊んでみてはいかでしょうか。