1.よだれが出る
猫が嘔吐をする前に、口からよだれが垂れたり口の周りを舐めたり、というサインが見られることがあります。
吐き気や嘔吐は脳にある「嘔吐中枢」が刺激されて起こる反応なのですが、嘔吐中枢の近くに唾液の分泌を促す「唾液分泌中枢」が存在しているため、一緒に刺激されることで嘔吐の前に唾液が口の中にたくさん出るのです。
嘔吐に伴って出る唾液は、胃酸の刺激を弱めてくれたり喉や口を守ってくれる役割を果たしていると言われています。
口元によだれが見られたり、突然口周りを舐めたりする仕草をし始めた場合は、嘔吐の前兆の可能性があるでしょう。
2.お腹が急に収縮する
猫が嘔吐をする前には、お腹が急に動きます。胃の内容物を口から体外に出すために、横隔膜やお腹の筋肉が急激に収縮をするのです。
横隔膜の蠕動(ぜんどう)運動により、飼い主からは突然猫のお腹が「グッグッ」と上下に動いてから吐くように見えます。
お腹が動いた後に吐く場合と吐かない場合がありますが、早いと2~3回ほどお腹が動いてすぐに吐いてしまうこともあるので、対処の時に慌ててしまうかもしれません。他のサインも含めて、注意深く見ておくのが良いでしょう。
何度もお腹が動くのに吐かない場合は、毛球症など病気の可能性が考えられるので病院を受診してください。
3.頭を下げる
猫が頭を下げ、顔を前に突き出すような体勢になるのは吐く前触れのサインです。頭が下がっていると胃よりも食道が下になるため、胃の中のものを吐きやすいと言われています。
咳をする時にも姿勢を下げるので見分けるのが難しいかもしれませんが、咳をしてからそのまま嘔吐するケースもあります。そのため、頭を低くして顔を前に出す様子が見られたら構えておきましょう。
4.落ち着きがなくなる
猫が吐き気と共にお腹の痛みや不快感を感じている時など、ウロウロと落ち着きなく歩き回る場合があります。また、自分が感じている不快感がストレスとなってそわそわしてしまうこともあるでしょう。
特定の場所をうろつくことがあれば、他の人や猫の目につきにくいような場所に隠れてしまうこともあります。
いずれにせよ、猫によってこの時の行動が違うので、愛猫が吐く時にはどんなパターンなのかを把握しておくと対策しやすいかもしれません。
年代や健康状態によっては、認知症などの病気によるうろつきの可能性もありますので、嘔吐した後も異変が続くようなら病院を受診しましょう。
まとめ
今回は「猫が嘔吐する前に見せるサイン」を解説しました。
猫は吐きやすい動物なので、全てのサインを予期して完全に回避することは難しいかもしれませんが、猫が嘔吐する前触れを少しでも把握しておくことで適切な対処ができるでしょう。
猫が嘔吐するのは様々な原因が隠れていますが、吐き気を感じたり吐いたりするのは猫に負担をかけてしまうことでもあります。
日頃からの吐き戻しや嘔吐対策を取りつつ、今回紹介したサインも参考にしてみてくださいね。