猫に『ヨーグルト』はあげても大丈夫?正しい与え方や量を解説 お腹の健康サポートにもなる?

猫に『ヨーグルト』はあげても大丈夫?正しい与え方や量を解説 お腹の健康サポートにもなる?

ヨーグルトは乳を乳酸菌などで発酵させて作られる食べ物。健康に良いので、毎日食べている方も多いはずです。ただし、体に良いのは人間の場合。猫にヨーグルトを与え過ぎると思わぬトラブルを招く恐れがあります。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫はヨーグルトをたくさん食べられない

ヨーグルトを舐めている猫

人間と異なる体のつくりをしている猫は、乳製品の分解があまり得意ではありません。ヨーグルトや牛乳などの乳製品には乳糖と呼ばれる成分が含まれていますが、猫はこの乳糖を分解できる酵素を十分持っていないのです。

結果的に、乳糖をたくさん摂取することで乳糖不耐症を引き起こし、下痢や嘔吐などの異変を生じます。

ヨーグルトの場合、牛乳を発酵するタイミングで乳酸菌によって一部の乳糖が分解されます。ただし、完全になくなるという訳ではなく、あくまで減少するだけ。

与え過ぎることで乳糖不耐症を引き起こしてしまうことに変わりはありません。また、猫によっては乳製品そのものに対してアレルギー反応を示す恐れもありますし、ヨーグルトに豊富に含まれるカルシウムなどの過剰なミネラルが尿石症の原因になることも考えられます。

正しい与え方

ヨーグルトを舐める黒猫

どうしても猫にヨーグルトを与えたいときは、まず無糖のプレーンタイプの商品を用意しましょう。砂糖などでの味付けや果物などが添加されているヨーグルトはNGです。砂糖の摂り過ぎは、糖尿病のリスクを高めてしまいます。砂糖ではなくキシリトールなどの甘味料が入っているものもありますが、キシリトールは猫にとって重篤な中毒を起こす物質ですので、たとえ少量であっても絶対に与えてはいけません。

果物に関しても種類によっては、中毒やアレルギーを引き起こす心配があります。特にブドウやイチジクが含まれている商品は絶対に与えないようにしましょう。

与えるときの量も気を付けなければならないところ。与え過ぎは乳糖不耐症を招くため、多くとも小さじ1杯程度から始め、体調不良を起こさないか数日間確認しましょう。体調不良が起きず猫がヨーグルトの味を気に入ったとしても、2〜3杯程度に留めましょう。

お腹のサポートになるかは怪しいところ

乳製品と猫

ヨーグルトを猫に与える多くの方は、お腹の調子を整えてくれればと思っていることでしょう。ただ、残念ながら猫に人間用のヨーグルトを与えて、お腹の調子が整うかは怪しいです。

体の構造や腸内環境の事情が人間と異なる猫に、人間で効果が期待されている乳酸菌を与えても同じように活躍する保証はありません。

そもそも、猫はヨーグルトを十分に摂取することが困難。ヨーグルトでお腹の調子を整えるのはハードルが高いでしょう。

お腹の調子を整えたいことが目的であれば、ヨーグルトより猫用に開発された整腸サプリメントの方が、効果が期待できるはずです。

まとめ

ヨーグルトを食べる猫

ヨーグルトは人間にとって健康によい上に美味しい食べ物。乳酸菌によってお腹の調子も整うので、いいこと尽くめな食べ物です。ただし、それらはあくまでも人間の場合であり猫も同じではありません。

与えたところで、そこまでお腹の調子が整うわけではなく、与え方を誤れば乳糖不耐症によって下痢・嘔吐を引き起こしてしまいます。消化機能の発達が不十分な子猫では、重篤な嘔吐下痢を引き起こす可能性もありますので、特に避けるべきです。また、商品によっては糖尿病や中毒、アレルギーのリスクもあるでしょう。

ヨーグルトを猫に与えるメリットはそこまでないと理解した上で、どうしても与えるのであればプレーンタイプのものを様子見しながら少量ずつ与えましょう。

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