猫が覚えやすいことば5選
猫は適応力に優れた動物なので、人間と暮らす猫は人の言葉を覚えることができます。
長い文章は難しくなりますが、短い単語であれば教えることも可能です。ここでは、猫が覚えやすい言葉7選を紹介します。
1.自分の名前
猫が自分の名前を覚えやすい理由は、呼ばれることと連動して良い経験が繰り返されることが多いためです。
たとえば、猫の名前を呼ぶときには、飼い主は自分の方を見ていることが多いでしょう。同時に、ごはんや遊び、抱っこなど猫にとって楽しい経験がつきものです。
すると、猫は自分の名前に反応すると、良い経験が得られることを理解します。そのため、猫にとって自分の名前を覚えるようになるのです。
しかし中には、いくら名前を呼んでも、反応しないなんてこともあるかもしれません。たいていの場合、それはただ猫にとって「いま忙しい」か「興味ない」ことがほとんど。
自分が呼ばれていると理解している証拠は、耳やしっぽのボディランゲージで示しているはずです。
2.「ごはん」「(大好物の名前)」
猫が食べる物を求めるのは、いたって当然のこと。それに加えて、飼い主が「ごはん」という言葉で食事の時間を知らせていると、猫は自然と食事と言葉の関連性を学びます。
飼い主が「ごはん」というときには、すでに自分の食事の準備がされているか、飼い主が即座に用意して食事にありつけることを学ぶからです。
同じように、猫が特定の大好物の名前を覚えるのも、飼い主がその名前を使って猫にその食べ物を与えることで起こります。
猫に大人気のペースト状のおやつの名前は、自分の名前に反応しない猫ですら、駆け寄ってくることもあるようです。もしかしたら、歌まで覚えているかもしれませんね。
3.「イイコ」「かわいい」
猫が「イイコ」や「かわいい」に反応して、それらの言葉を覚えるのは、飼い主が褒め言葉として使うためです。
猫が何か良いことをしたときは「イイコ」と声をかけるでしょう。このような誉め言葉と行動が結びつくことで、猫は意識的に言葉を記憶します。
同時に「かわいい」といわれる猫は、飼い主の幸せそうな姿や言葉と同時に安心感を得るという経験をします。
猫は自分が愛されていることを理解でき、それらの言葉が自分に向けられる意味を学ぶことで、結果的に「イイコ」や「かわいい」という褒め言葉を覚えるようになるのです。
4.「病院」
飼い主の中にも苦手な人もいるのではないでしょうか。
猫が「病院」という言葉を覚えるのは、ちいさなキャリーバッグに閉じ込められて動物病院という慣れない場所へ連れていかれ、診察や注射などの不快な体験をすることが多いためです。
なかには「明日、病院行こう」と言っただけで、さっそくどこかに隠れてしまうことも。
猫にとって「病院=怖くて不快」だと、強烈な印象として残ってしまうのは仕方のないことです。
だからと言って、愛猫をだますように捕まえて病院へ連れて行けば、結果的に信頼関係が壊れる原因となってしまいます。
通院が必要なときには、ご褒美や目隠しなど、できるかぎりのストレス軽減に努めましょう。
5.「コラ!」「ダメ!」
猫は好奇心旺盛な動物なので、ときには注意せざるを得ないことも少なくないでしょう。子猫であれば、遊びの延長で噛んだり壊したりすることも少なくありません。
たいていの飼い主は「コラ!」や「ダメ!」などという言葉を使って、猫の悪い行動を指摘し、叱って制止しようと試みます。
そのため、活発で行動派な猫ほど、この言葉を覚えやすくなってしまいます。怒られることが多いからです。
叱るときに猫を怖がらせる必要はありませんが、ときには本当に危険な行動から守るためにも、これらの言葉で制御することもとても大切です。
猫はどれくらい人の言葉を理解できるか?
「猫が理解できる言葉は、約20〜40語」という研究があります。しかし、個体によっては50語以上も理解できる場合もあるようです。
ただし、猫は言葉の意味を理解するというよりは、言葉を音として聞き、状況を連想していると考えるほうが事実に近いかもしれません。
私たちがまったく馴染みのない言語を聞いたときと似ています。たとえば、相手が食べる仕草をしながら笑顔で言葉を発すると「食べる」とか「おいしい」という意味だろうと連想するのと同じです。
猫は飼い主の行動や声のトーン、表情と言葉の音を結び付けて理解します。そして、毎日頻繁に聞く言葉ほど覚えやすくなります。つまり、言葉をたくさん覚える猫は、飼い主が毎日たくさん話しかけているからでしょう。
猫に言葉を教えてみよう
猫に言葉を教えるには地道な努力が必要です。その代わり、上手く教えられたら猫とのコミュニケーションはよりいっそう楽しくなります。
かんたんなアクションと一緒に言葉を覚える遊びを紹介します。無理やりではなく、猫の能力と気分に合わせて、すこしずつ言葉を教えていきましょう。
以下の6つのステップが基本です。
- 1.静かで落ち着いた環境ではじめる
- 2.「おいで」「座って」「待って」など簡単な単語からはじめる
- 3.猫の大好物を用意し、希望のアクションをしたら一口だけ与える
- 4.アクションは完璧でなくても、やろうとしたことを褒める
- 5.同じ言葉を何度か繰り返して教える
- 6.長時間の練習は避け、短時間(10分以内)で終わりにする
猫は集中力が続かないため、はじめのうちはよくわからず、その場を立ち去ってしまうかもしれません。そんな時は一旦終わりにして、猫の気分を優先してあげましょう。再開するときは、数時間おいてから始めます。
また、言葉の練習は猫の個体差もあり、上手く覚える猫もいれば、なかなか覚えられない猫もいます。無理やり教え込ませるのではなく、新しい遊びの一環として練習してみましょう。
まとめ
猫は人間の言葉をある程度理解でき、そのなかの覚えやすい言葉を紹介しました。
猫の場合は、単語そのものの意味を理解しているというよりは、状況と関連づけて認識していますが、猫が飼い主の話すことを理解してくれると、よりいっそう深い絆を感じられそうです。
この記事のなかでは、言葉を教える練習方法も記載しました。
愛猫と一緒に新しい遊びとして楽しみながらできるトレーニングです。ぜひ試してみてください。