猫が好む食べ物に関する豆知識5選 猫が『魚好き』なのは科学的に本当かも?

猫が好む食べ物に関する豆知識5選 猫が『魚好き』なのは科学的に本当かも?

「猫が魚を好むのは日本だけ?」実はそうとも限らない新事実が明らかになりました。『魚好き』は猫の本音かもしれないのです。そこで今回は、猫が好む食べ物に関する豆知識を紹介いたします!

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が好む食べ物に関する豆知識

餌を食べる猫2匹

ホームセンターのペットコーナーを覗いてみると、所狭しと並べられたキャットフードに圧倒されることがありませんか?

テイストもチキンからフィッシュまで実に様々で、どれを選ぶべきか迷ってしまいますよね。

そんな飼い主さんに、今回は猫の好きな食べ物に関する5つの豆知識を紹介いたします!

巷で最近よく耳にする『猫はマグロ好き』という話は本当なのでしょうか。驚きの新事実が昨年明らかになったので、こちらも合わせて解説いたします。

1.ネズミよりもウサギ肉が好き?!

猫は生粋のハンターで、肉食動物です。よく「ネズミを捕食する」といわれていますが、実はウサギ肉のほうが好まれる傾向にあるのだそうです。

1984年にLibergが行った観察では、ウサギが豊富に生息する地域の猫は、ネズミを狩らないのだとか。その理由は至ってシンプルで、ウサギのほうが体が大きくコストパフォーマンスが良いというのが結論のようです。(チクサン出版社 ドメスティックキャット)

一方で、2005年Biroがハンガリー国内で野生環境でクラス猫について行った研究では、小型哺乳類を最も好み野ウサギはあまり好まなかったという結果が出ています。

正反対の結果なので、猫の本当の好みはわかりにくいところです。

2.生クリームを好むのは「油脂分」のせい

お菓子作りをしていると、愛猫が生クリームをほしがることはないでしょうか。これは、生クリームに含まれる「油脂分」に惹かれていることが要因です。

肉食動物である猫の舌は「甘味」に関する味蕾神経がなく、甘味を感じることができません。そのため、糖分を好んで摂取することがないため、猫は甘党ではありません。

生クリームを好む理由も、動物性油脂が美味しそうだと感じるためです。

とはいえ、基本的に生クリームを与えるのはNG。一切味付けをしなかったとしても脂質の過剰摂取に繋がってしまいます。原料に『乳糖』が含まれることから、お腹を壊すリスクもあります。

肥満から糖尿病に発展する恐れがあること、下痢を引き起こす可能性があることなどを考慮し、食べさせないように気をつけてください。

3.実はウェットフード派が多い

ウェットフードを食べる猫

キャットフードといえば、通称「カリカリ」と呼ばれるドライフードが主流ですよね。しかし、猫ウケが良いのは「ウェットフード」のほうなのです。

理由はトロッとしたあの食感。肉食動物である猫にとって水分が多いものは新鮮な肉を彷彿とさせるのです。温度も、人肌程度、もしくは38℃程度に温めるとリアリティが増して喜ばれます。

ただし、ウェットフードは置き餌ができないことや、比較的高価なことが多いというデメリットがあります。そのため、毎日ではなく、ご褒美や記念日のお祝いメニューとして登場させることをおすすめします。

たまには特別感のある食事を取り入れて、刺激を与えると良いですね。ウェットフードからは豊富な水分が得られるので、冬場の乾燥対策や脱水予防にも役立ちます。上手に活用してみてください。

4.「鰹節」は食べ過ぎると危険!

鰹節に馴染みのある日本では、猫が好むおやつとしても定番メニューになっています。実際に興味を持つ猫も多いですよね。

猫が鰹節に惹かれる理由は、強い香りによるもの。猫は風味にこだわりを持つため、匂いにそそられるのです。

基本的に猫用であれば大丈夫とされているものですが、くれぐれも与え過ぎには気をつけましょう。尿路結石や腎臓病を引き起こす恐れがあります。

腎臓病のリスクが上がる10歳以上の猫や、尿路結石になりやすい猫種(アメショ・スコティッシュ・ラガマフィンなど)には、予め与えないほうが無難です。

5.「マグロうまい!」は猫の本音

動物番組や動画サイトで、「マグロうまい、うまいにゃ!」と喋る猫が紹介されることがありますよね。

実は、この言葉に似た鳴き声は、猫の本音である可能性があるのです。つまり、本当にマグロを美味しいものとして認識しているかもしれないのです。

これを科学的に裏付けたのは、ウォルサム研究所のスコット・マクグラン氏(風味科学者)です。彼の研究によると、猫の味蕾神経には、『Tas1r1』と『Tas1r3』という2種類の旨味受容体があることが明らかになりました。

これがマグロの旨み成分と合致するのです。つまり、猫がマグロを好むのは本能に基づくということ。世界規模で見ても、マグロは猫ウケが良いことが証明されました。

キャットフードを選ぶ際は、「まぐろ味」を取り入れてみると喜ばれるかもしれません(個体差あり)。

まとめ

魚を凝視する猫

今回は、猫が好む食べ物に関する豆知識を紹介いたしました。中でも、マグロにまつわる新事実は興味深く、印象に残ったのではないでしょうか。

ちなみに、猫がマグロを少量摂取するのは問題ないものの、主食にすることは控えなければなりません。なぜかというと、マグロだけでは必要な栄養素を網羅できないためです。

家猫が健康的な生活を送るには、「総合栄養食」に分類されるキャットフードが必要不可欠です。マグロはあくまでもトッピング程度に留めておきましょう。

他にも、猫と食べ物に関する豆知識はたくさん存在します。ぜひ愛猫を観察しながら新しい豆知識を探してみてくださいね。

スポンサーリンク