猫が反応せずにはいられない『大好きな匂い』5選 知っておくと役に立つ場合も

猫が反応せずにはいられない『大好きな匂い』5選 知っておくと役に立つ場合も

猫は人間とは違った分類の仕方で匂いを認識しているため、人間には決して「イイ匂い」ではないものでも、大好きなこともあります。この記事では、猫が大好きな匂いとその活用法をご紹介します。また、匂いの取り扱いについての注意点もありますので最後までご覧ください。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫が大好きな匂い5つ

またたびボールに夢中

猫が本能的に反応してしまう5つの匂いと、その理由を見てみましょう。

匂いの好き嫌いには個体差があります。あなたの猫は、どの匂いが好みでしょうか?

1.またたび

猫好きさんなら言わずとも知れたまたたびは、北海道から九州まで見られる、つるが伸びるタイプの植物です。初夏になると葉っぱの裏側が真っ白になり、かわいい梅のような花が咲きます。

またたびは、枝や葉、実の部分もすべて猫に好まれますが、これは「マタタビラクトン(イリドミルメシン)」や「アクチニジン」という成分に、猫が反応するからだといわれています。

個体差もありますが、子猫は反応が薄く、大きくなるにつれて匂いに反応するようになってきます。一方、大きくなってもそっけない猫がいます。

2.キャットニップ(イヌハッカ)

猫のおもちゃにも使われているキャットニップは、ミント科の一種です。

キャットミントと呼ばれる「ネペタ」とは別の植物ですが、近縁種であり、猫はどちらも大好きです。

キャットニップは、またたびに含まれる「マタタビラクトン」に似ている成分(ネペタラクトン)を持っています。

猫にキャットニップを与えると、またたびを嗅いだときのように、床にゴロゴロ転がり身体をこすりつけるような反応が見られます。

3.魚の匂い

「猫の魚好き」は定番中の定番ですね。

これは、島国・日本特有のものといわれることもありますが、実は日本に限らず、地理的な要因や成長過程による差が関係しています。

海の近くに住む人間は、代々魚を食べているため、彼らの手で魚を与えられてきた猫にルーツを持つ子孫は、日本に限らずどの国の猫でも魚の匂いが大好きです。

これは、多くのキャットフードにフィッシュフレーバーが用意されていたり、嗜好性を高めるタイプのフードには、魚肉とフィッシュオイルが使用されていたりすることからもわかります。

4.飼い主さんの衣類

愛猫が、脱いだ服の上に乗って眠ったり、靴下をくわえてどこかへ持って行かれたりしそうになったことはありませんか?

飼い主が身に着けていた衣類を好きな猫は多いのですが、それは、人間の皮脂や汗に含まれる匂いが影響しているからだと考えられています。

猫は嗅ぎ慣れている飼い主の匂いからも、自分のテリトリーを認識するため、安心材料となることがあります。また、その匂いから「安全な」狩猟ごっこを楽しむこともあります。

どちらも飼い主への信頼関係があるからでしょう。

5.メントール

メントールには、ミントから抽出される天然メントールと、人工的な合成メントールがあり、どちらも、スースーした清涼感と鎮痛効果のために使用されています。

一般的には、猫はミントの匂いを嫌がることが多いのですが、実際には、一定数の猫がメントールを好んでいるのが現状です。ハッカキャンディーやシップ薬に、猫がスリスリして陶酔するというケースがあります。

猫がメントールの香りを好む理由はわかっていませんが、天然メントールはハッカ全草を精製して作られることから、同じミント科であるキャットニップに似た作用があると考えられています。

野良猫除けにハッカ水をまいても効果がないのは、もしかしたらこのあたりの事情が関係しているのかもしれません。

なお、メントールの使用に関しては注意点があります。「匂いに関する注意点」もご覧ください。

猫の好きな匂いの活用方法

爪とぎで遊ぶ三毛

猫が思わず反応するようなら、活用しない手はありません。

猫が新しいものを警戒する場合、少量のまたたびやキャットニップを使うと興味を引きやすくなります。新品の猫用ベッド、タワーなどは警戒しやすいので、匂いをうまく利用しましょう。

特にまたたびは、粉末だけでなく、乾燥させた実(虫えい果)や枝の部分も売られているので用途にあわせて形状を選びやすくなっています。

飼い主の匂いがついた古着なども、猫にとっては安定できます。キャリーバッグの中に敷いてあげると、通院時も緊張せずにいられるかも。

かつおぶしやにぼしなどの乾物は、お茶パックなどに入れてドライフードの袋にいれておくとフードへの香り付けになり、猫の食欲を増進させることができます。

匂いに関する注意点

猫にとってハミガキ粉はクサイ

猫の好きな匂いを活用する際に注意すべきことがあります。

  • 使用量は最小限に抑えること
  • 異常がでたらすぐに使用を中止すること
  • 誤飲に注意する
  • 好きな匂いでもメントールは与えないこと

ミントの香りを凝縮してあるメントールは、人間用の製品でも香料以外の使用が認められていません。

万が一、猫が口にしてしまうと肝機能障害を起こすなど、健康を損なう恐れがあります。

猫のいる家庭では、メントールを使った製品の使用自体を最小限に抑えることが安全です。

まとめ

ソファにスリスリする猫

この記事では、猫が大好きな5つの匂いを紹介しました。

猫は嗅覚が良いこともあり、さまざまな匂いに反応しますが、必ずしも食べ物の匂いが好きというわけではないようです。

魚の匂いや靴下など、人があまり良いニオイと思わないものでも、猫にとっては大好きな匂いもあるようです。

メントールに関しては、猫が好む匂いのひとつではありますが、健康を害する可能性があるため、猫が摂取しないように注意してください。

また、猫が好きな匂いを与えたあとで、猫に異変が見られたときには必ず獣医師に相談するようにしましょう。

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