1.サーモン
免疫力アップを期待して猫に与えるなら、食材の中でもサーモンが利用しやすいでしょう。
サーモンはピンク色が美しい魚ですが、実は身は白色。身にアスタキサンチンという天然の赤い色素が含まれているので、ピンク色に見えるのです。
このアスタキサンチンには、抗酸化作用や血流改善の効果があり、免疫力向上に役立ちます。さらに、サーモンには猫の必須脂肪酸であるオメガ-3脂肪酸(DHAやEPAなど)が豊富に含まれています。
キャットフードの原材料にも使われるサーモンは、免疫力向上に役立つだけでなく、被毛や皮膚の健康維持にも効果的です。
2.きのこ
免疫力向上を期待できる食材といえば、きのこ類です。
きのこには、免疫システムを活性化させる効果があるとされるβグルカンという多糖類(ブドウ糖が結合したもの)が含まれています。
食物繊維は多糖類の一種ですが、日本食品標準成分表では「消化酵素で消化されない食品中の難消化性の成分」とされており、消化器官の健康を促進する効果も期待できます。
代表的なきのこ類は、シイタケ、しめじ、えのき、エリンギなどがありますが、これらは猫でも食べられます。
特に免疫向上を期待する場合は、マイタケがおすすめです。
マイタケは、ほかのきのこ類と比べてβグルカンが豊富に含まれ、免疫を支援するサプリメントの原料としても利用されているほどです。
また、石づきがないので少量ずつ使いやすいのも利点です。
3.ブロッコリー
愛猫の免疫力を高める食材は、サーモンときのこに加え、ブロッコリーもおすすめです。
ブロッコリーに含まれるビタミンCは、白血球を活性化させることで外部からの侵入者(細菌やウイルス)をやっつけてくれます。
また、豊富なβカロテンが粘膜を強くしてくれるため、ビタミンCとの相乗効果で免疫賦活効果が期待できます。
生のブロッコリーは硬くて独特のニオイがありますが、レンジで蒸したり茹でたりすることで、ニオイが軽減され猫でも食べやすくなるでしょう。
ちなみに、ブロッコリースプラウト(新芽)も栄養価が高く、猫でも食べられる食材です。ただ、生で食べるとやや辛みがあるため苦手な猫もいます。
いつもの食事に取り入れる方法
ふだんキャットフードを食べている猫は、食べ慣れていない食材を出してもすぐには食べてくれないかもしれません。
慣れれば食べられるようになりますので、最初はすこしずつ与えてみてください。
食材を上手に取り入れる方法
食材を無理なく取り入れるには、いつものキャットフードにひと手間加えたトッピングがおすすめです。
今回紹介した3つの食材は、一緒に調理することが可能です。
分量は、サーモン7:ブロッコリー2:きのこ1になるよう調整してください。
1.お鍋に水を入れ、お好みのきのこ類を入れ、お湯が沸いてきたらブロッコリーとサーモンを入れて、それぞれ火が通り柔らかくなるまでゆでます。
2.食材に火が通ったら、フードプロセッサーにかけるか、包丁を使ってできるだけこまかいみじん切りにします。(フードプロセッサーを使うときは、ゆで汁を少し入れてください)
3.猫が食べられるくらいまでよく冷ましたら、いつものフードにトッピングしてあげましょう。
与えるときの注意点
最初は、ひと舐めする程度からはじめ、1食で小さじ2くらい食べられたら十分です。あくまでもトッピングなので、いつものフードとのバランスをみながら与えるようにしてください。
また、猫に味付けは不要です。サーモンの切り身を使う場合も、塩鮭(甘口サケ含む)などは塩分が強いので無塩のものにしましょう(切り身は骨があるので、しっかり取り除くことをお忘れなく)。
そして、自宅で作ったトッピングは傷みやすいので、出してから30分ほどして食べない分は廃棄するようにしてください。
お鍋に残ったものは、小分けにして冷凍にすれば10日〜2週間くらい保存できます。食べさせるときに、人肌まであたためてから与えてください。
まとめ
今回は猫の免疫力を上げる食材を紹介しました。
わたしたちがいつも食べているサーモン、きのこ、ブロッコリーは、いずれも猫が安心して食べられる食材です。サーモンはお魚なので、好んで食べる猫も多いでしょう。
きのこやブロッコリーは、猫が嫌がりにくい食材です。しっかりと火を通して、小さく刻んであげることで効果的に与えられます。
総合栄養食のキャットフードは、常食として推奨されますが、キャットフード以外に食べられるものがあると、一時的な食欲不振や水分補給などにも選択肢が拡がるのでおすすめです。
はじめは無理せず、トッピングからはじめてみてください。