猫に『白髪』が生える原因4つ ただの老化現象ではない場合も?

猫に『白髪』が生える原因4つ ただの老化現象ではない場合も?

猫にも「白髪」は生えるのでしょうか。答えは、『YES』です。そこで今回は、猫に「白髪」が生える原因を4つ紹介いたします。ただの老化現象ではない場合もある、奥深い要因について徹底解説いたします!

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫に「白髪」が生える原因とは

眠る猫

猫の被毛も人間と同様、毛色は「メラニン色素」という色素細胞の働きによって保たれています。

加齢によって細胞の機能が低下すると「白髪」が生えるというメカニズムも、やはり人間と似通ったものがあります。

猫の場合は、もちろん個体差はありますが概ねシニア期に移行する7歳頃から緩やかな変化が現れる、といわれています。

その一方で、「白髪」はなかなかあなどれない存在でもあります。例えば急に被毛が白くなった場合、その原因は年齢によるものとは限らないからです。

そこで今回は、単なる老化現象だけではない、猫に「白髪」が生える原因について解説します。最近愛猫の白髪が気になる…という方はぜひ確認してみましょう。

1.精神的なストレス

威嚇する猫

猫にも「若白髪」と呼ばれる現象はありますが、それが極端に見られるような場合は要注意です。

まず考え得る要因として、『精神的なストレス』が挙げられます。ストレス下に晒された猫の体は血行が悪くなり、被毛に栄養が行き渡らなくなる可能性があります。この状況が慢性化すると、やがて「白髪」となってしまうかもしれません。

最近、猫のいる環境に変化はありませんでしたか。もしかして、新しい猫を迎えて多頭飼育をスタートしませんでしたか。

または、飼い主さんご本人が強いストレスを受けていませんか。猫は飼い主さんの心境の変化さえ敏感にキャッチする動物です。飼い主さんが受けているストレスも愛猫に影響してしまうことがあります。

これらを踏まえて、何か思い当たる節があれば、環境改善をしていきましょう。

2.食生活の乱れ

食事をする猫

人間同様、猫も食生活の乱れによって栄養失調を引き起こします。その結果、最終的には「白髪」として被毛に影響を及ぼします。

毎回の食事で食べムラがありませんか。最近フードを変更しましたか。猫の食欲は落ちていませんか。

普段から食べムラがある猫は、栄養が上手に取れていない可能性があります。フードを温めたり、ウェットフードを併用したりするなどの工夫を凝らし、毎回の摂取量を確保してください。

また最近、フードを変更した場合も要注意です。猫は変化に敏感なので、切り替える際は少しずつ変えていくことが好ましいでしょう。

そして最も重要なのは、食欲の減少です。現状として愛猫に食欲が見られない場合は、なんらかの疾患による体調不良の可能性も視野に入れなければなりません。

明らかにストレスを抱えていないのに食欲が落ちている場合は、一度かかりつけの動物病院での診察を受けてみてください。

3.皮膚炎後の生え変わり

皮膚のチェック

実は、何らかの皮膚トラブルに見舞われて治療した後に、白髪が生えるケースがあります。

これに関しては一時的なもので、被毛が生え変わる過程で生じるサイクルのひとつです。

皮膚炎自体が完治しているのであれば問題はないので、心配せずに見守りましょう。

4.加齢によるもの

おばあちゃんと猫

ここまで解説したどの事例にも属さない場合や、そもそも愛猫の年齢が既に10歳を超えている場合は、加齢による老化現象の可能性が有力でしょう。

年齢的な白髪の生え方には次のような特徴があります。

  • 目耳口の周りが白くなりやすい
  • 濃い毛色を持つ猫は特に目立つ
  • 背中にも生えるが『ヒゲ』の一種の可能性も

猫の白髪自体は、通常の被毛と同様の硬さです。なお、他の毛とは明らかに異なる硬く白い毛が生えている場合は「ヒゲ」の可能性があります。

いずれにしても無理やり抜こうとはせず、そのままにしてあげてください。どうしても気になる場合は、獣医さんに相談してみると良いでしょう。

まとめ

高齢の猫

猫の白髪の主な原因は、「ストレス」「栄養不足」「皮膚炎後の生え変わり」「加齢」によるものでした。

現代の猫はご長寿さんも多く、当然の事ながら15歳を過ぎれば、必ずと言ってもよいほど白髪があります。もちろん程度の差はあります。

逆に言えば、7歳以下の若い猫に白髪が目立ちはじめた場合は、放置せずにきちんと原因を探る必要があるでしょう。しっかりと栄養を取り、良く遊び穏やかな日々を送ることが大切です。

何か気になることがあれば、専門家であるかかりつけの獣医さんにまずは相談してみることをおすすめします。

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