愛猫の『お顔が汚い』と思ったら疑うべき病気4選 ただの汚れと侮ることなかれ

愛猫の『お顔が汚い』と思ったら疑うべき病気4選 ただの汚れと侮ることなかれ

目や口周りなどのちょっとした汚れの裏には、思わぬ病気が潜んでいる可能性があります。たかが汚れと見過ごしてしまうと愛猫を苦しめてしまうかもしれません。本記事では、猫の顔の汚れの原因として考えられる4つの病気を紹介します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.猫ニキビ(痤瘡)

あごを拭いてもらう猫

愛猫のあごの下に黒い汚れのようなポツポツが見られる場合は、猫の「あごニキビ」の可能性があります。

あごの下はもともと皮脂の分泌が多く汚れが溜まりやすいほか、猫が自分で毛づくろいできずフードやよだれが残ってしまい、不衛生な状態が続きやすい場所です。

汚れや皮膚の分泌物が溜まると、痤瘡(ざそう)と呼ばれる黒いポツポツができます。

ニキビが軽症の場合は痛みやかゆみなどの症状は出ないことが多いですが、放置していると細菌が繁殖して皮膚の炎症を起こしてしまいます。

重症化すると皮膚のただれやかゆみ、脱毛、出血などが見られるようになるため、あご下の汚れが見られたら、ぬるま湯で湿らせたガーゼやコットンを使って優しく拭き取ってあげましょう。それでも改善されない場合は動物病院を受診し、治療について相談してください。

2.結膜炎、角膜炎

目を拭いてもらう猫

猫の目の周りが汚れている場合は、目の病気によって炎症が起きているかもしれません。

猫の目の病気には結膜炎や角膜炎などがあり、炎症によって溢れるほどの涙が出たり白や黄色の目やにが出たりします。原因はさまざまで、喧嘩や毛づくろいで引っ掻いてしまったケースや、感染症が元になっているケースもあります。

重症化すると強い痛みやかゆみを伴う場合があり、放置していると外科手術が必要になることもあるので、速やかに動物病院で診察してもらいましょう。

目やにが出ている時や目周りの皮膚が汚れている時は、ぬるま湯で湿らせたコットンを使い、決して眼をこすらないように拭き取ってください。

3.猫風邪、副鼻腔炎

鼻周りの汚れた猫のアップ

猫の鼻周りの汚れは、猫風邪や副鼻腔炎などの病気が原因となっている可能性があります。

これらの病気はウイルスや細菌の感染によって引き起こされ、最初は透明であった鼻水が徐々に黄色や緑色の粘り気のあるものに変わっていくのです。

悪化すると鼻詰まりでにおいが分からなくなり、食欲が低下して元気がなくなっていきます。免疫力が弱っていると肺炎などを伴い、重症化することもあります。

鼻水を拭く時はティッシュでそっと行いましょう。鼻水が固まってしまっている時は、濡らしたガーゼやコットンでふやかしてから拭き取ると取りやすいです。

4.口内炎、歯周病

口を大きく開ける猫

猫の口腔内の状態が悪くなっている場合、口内炎や歯周病といった口の中のトラブルによってよだれが分泌されて口周りを汚してしまいます。

口内炎や歯周病は口腔内の細菌やウイルスの感染症、口の中の傷といった原因があり、痛みや異物感といった症状があらわれます。

重症化すると強い痛みから食事が取れず衰弱してしまったり、毛づくろいができなくなるため毛艶や皮膚の状態が悪化してしまったりするので注意が必要です。

また、エイズや腎臓病などの全身疾患が原因で口内炎に発展することもあります。

よだれが出ている時は清潔なタオルやガーゼでそっと拭き取り、口のトラブルが見受けられるようであれば動物病院で検査や治療を行ってください。

また、定期的な口腔内のケアを欠かさないようにしましょう。

まとめ

くつろぐ猫

今回は、愛猫の顔が汚れている時に疑われる4つの病気を紹介しました。

一見するとちょっとした汚れだとしても思わぬ病気が潜んでいることがあり、放置していると愛猫を苦しめてしまう結果になる可能性があるのです。

「拭いておけば大丈夫だろう」と自己判断で軽く考えてしまうのは危険ですので、まずは汚れの場所や状態などを伝えて動物病院で診てもらいましょう。

病気が見つかった場合は速やかに治療できますし、ただの汚れで何事もなければ安心を得られます。

愛猫の健康を守るためにも、ただの汚れと侮らずにあらゆる可能性を考えて対応しましょう。

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