猫が腹痛のときに見られる6つの兆候
身体の不調を隠そうとする猫でも、自分の力だけではどうしようもない痛みに襲われているときには、その兆候を見せることがあります。
いつもと違う様子が見られたら、以下のような点がないかを確認してください。
1.緊張した表情になる
お腹に痛みがあるときは、耳を倒していわゆる「イカ耳」になって、目を吊り上げてジッと一点をみつめていることがあります。人間と同じように身体が緊張状態になるのです。
気持ちが腹痛に集中してしまい、ほかのことに関心を向けることが難しくなります。
声をかけても、振り向いたり反応したりしない場合には、痛みを感じている可能性があります。
2.お腹を下にして動かない
おなかが痛いときに、動きたくないのは人間と同じです。体を安定させることで、痛みをできるだけ小さくしようとする自然な行動です。
猫の場合は、患部を手で押さえるかわりに、お腹を下につけたまま動かなくなります。
通常であれば、別の場所へ移動したり、次第に足を投げ出して横になったりするものですが、何時も体勢を変えずにうずくまっている場合は、痛みに耐えている可能性があります。
3.隠れる
猫は具合が悪いときには部屋の隅や隙間など、人目につかないところに隠れようとする傾向があります。
自然界では、弱った状態を露出することは身を危険にさらす行為です。そのため、猫は痛みを感じた時に隠れることで自分を守ろうとするのです。
いつもは行かないような場所に隠れているときには注意しましょう。
4.触るのを嫌がる
いつものように撫でようとすると、いつもならしないような威嚇をして、触られるのを拒むことがあります。
お腹には、猫にとって重要な臓器があるため、痛みを感じているときに外部から刺激があると、不快感や痛みが強くなることを本能的にわかっているからです。
痛みが強い場合には、身を固くして腹部を守ろうとします。
5.食欲不振
身体の痛みの中でも、お腹と食欲は密接に関係しています。
腹痛の原因が、消化器系の不調や疾患であった場合はなおさらですが、仮に原因が消化器系でなくても、食欲を失うことがあります。
痛みのせいで、立ち上がって食事の場所へ移動することや食べること自体が苦痛な場合も、食べることを避けるようになります。食欲不振と共に、水を飲まなくなることも多いでしょう。
6.ツラそうに鳴く、唸る
腹痛の痛みが強いと、小さな声で唸っていたり、逆に喉をゴロゴロ鳴らしたりする(※)行動が見られます。
長時間、丸まっているとただの寝言に聞こえることもありますし、気持ちがよくてゴロゴロといっているのかと勘違いしてしまうので注意深く観察する必要があります。
また、飼い主への依存心の高い猫は、明らかに助けを求めるように鳴くこともあります。
※猫は、嬉しいときだけでなく、苦しいときなどにもゴロゴロ音を鳴らすことがあります。
猫が腹痛になる原因
猫が腹痛になる原因は、多岐に渡りますが、次のようなことが考えられます。
- 胃腸炎
- 巨大結腸、便秘
- 膵炎
- 寄生虫
- 腸閉塞
- 腫瘍
- 尿管結石
- 腎盂腎炎や膀胱炎などの泌尿器疾患
- 血栓症 など
猫は具体的にお腹のどこらへんが痛いと伝えられないため、腹痛の疑いがあれば、ほぼ全ての臓器に疑いが出てきます。
また、外部からの影響による腹痛は、
- 転落
- 激しいケンカ
- 交通事故
などが考えられます。
内臓に損傷があると命の危険があるため、一刻も早く診察を受ける必要があります。
猫の様子を見るときのポイント
猫の腹痛は、突然起きることが多いので、日頃から注意深く観察しておくことが大切です。
猫の様子がおかしいときに、観察するポイントは次の通りです。
- 食欲の有無
- 嘔吐の有無
- 排泄の状態(下痢や便秘)
- 血便や血尿、排尿回数
- 呼吸の異常
- お腹の膨満感や腫れの有無
など、腹痛症状とともに見られる異変にも注意しましょう。
寒い時期に猫がジッとしていることも多いものですが、寒いだけであれば食事の時間に起きてくるなど、日常の活動には異変はありません。
自宅での様子見があまり長引くと、受診のタイミングを逃しやすいため、すみやかに獣医師に相談できるよう慎重な判断を心掛けましょう。
まとめ
猫が腹痛のときにする姿勢は日常的に猫が行うものが多く、身体の不調なのかどうかの判断がとても難しいものです。
腹痛となる原因は、一過性の消化器不良から外部からの強い圧迫、慢性疾患の悪化なども考えられます。
目の前で起きた異物誤飲や転落などでない限り、外から見ただけでは原因は特定できません。
慣れている猫が人を寄せ付けず、隠れたり、唸ったりする場合は、かなり我慢している傾向です。
このようなときは、通院ストレスを心配しているうちに悪化するおそれがあるので、猫の異変に気付いたら、できるだけすぐに動物病院へ行くようにしましょう。