『猫の目ヤニ』は放っといて大丈夫?危険な場合の見分け方と考えられる病気

『猫の目ヤニ』は放っといて大丈夫?危険な場合の見分け方と考えられる病気

猫も人間同様に、目ヤニが出ることがあります。元気そうにしていれば、放置しても大丈夫なのでしょうか。今回は、「猫の目ヤニ」について危険な場合の見分け方と考えられる病気など詳しく解説いたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

気になる「猫の目ヤニ」危険な場合の見分け方と考えられる病気

目ヤニを拭き取る猫

猫と暮らしていると、目ヤニが気になることがあるでしょう。これは放っておいて大丈夫なのでしょうか。

結論から言うと、サッと拭き取るだけで大丈夫な目ヤニと、診察が必要な要注意の目ヤニがあります。

ここでは、それぞれの見分け方や危険なサイン、考えられる病気について詳しく解説いたします!

子猫の目ヤニは要注意

成猫とは異なり、子猫の場合は注意が必要です。緑色や黄色い目ヤニが出ていませんか。もしそうであれば『猫風邪』を引いている可能性が高いでしょう。

また同時に、目の充血や涙目などの症状を伴うことがあるでしょう。子猫は免疫力が低く、体力もありません。異変に気づいたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

ちなみに成猫の場合も、これらの症状が見られたら獣医さんの診察を受けてください。特に子猫時代に『ヘルペスウイルス』や『カリシウイルス』などの上気道感染症を起こした猫は再発する恐れがあります。

ゼリー状の目ヤニは「涙の異常」

涙は通常、鼻涙管という管を通って鼻に流れていきます。しかし、鼻涙管に炎症が起きたり、異物によって通りが悪くなると涙の通り道がなくなってしまいます。

このように、行き場を失った涙が目や鼻周辺に溢れる現象を『流涙症』といいます。流涙症は何らかの原因で、涙そのものが増えても起こる病気です。

このような涙の異常では、ゼリー状の目ヤニが多く出る可能性があります。

血が混ざった目ヤニは「目の負傷」

愛猫に「目をしばしばさせる」「しきりに眼を気にする」という症状が見られたら要チェックです。もしも血混じりの目ヤニが出ていたら、何らかの原因で目に怪我を負っている可能性があります。

特に多頭飼育の場合は、じゃれ合いの過程で爪が当たってしまうことがよくあります。放置すると傷ついた角膜に炎症が起こる恐れがあるので、異変に気づいたら診察を受けてください。

ちなみに目の負傷は、こまめに爪を切ることで予防することができます。

まぶたの異変にも注目を!

最近目ヤニが増えたと感じたら、まぶたをふくめた眼全体にも注目してみてください。

目ヤニの異変だけに留まらず、何らかの違和感に気づいたら動物病院を受診してください。

乾燥した目ヤニは問題ない

寝転がる猫

たとえ目ヤニが出ていても、健康な成猫で乾燥したものであれば特に問題ありません。これは『生理的な目ヤニ』です。

そもそも目ヤニは、目から出た老廃物とホコリなどが混ざった分泌物。新陳代謝の過程でどんな猫にも起こり得る生理現象なのです。

よって、少量の乾いた目ヤニが出る程度であれば治療の必要はありません。ただし、放置すると涙やけを起こす可能性があります。目ヤニに気づいたら、必ず拭き取るようにしましょう。

まとめ

膝の上で目ヤニを拭かれる猫

気になる「猫の目ヤニ」。その原因は、生理的なものから病気に至るまで様々なものがありました。

生理的な目ヤニに対しては、湿らせたコットンで優しく拭き取る方法がおすすめです。もちろん既に取れかけたものは、清潔な手で直接取り除いても構いません。

明らかに自然の目ヤニではない異変を感じた際は、遅くとも翌日には診察を受けましょう。ただし子猫の場合は例外です。ウイルス感染が背景にある場合は急変のリスクがあります。その日のうちに診てもらいましょう。

最後に、日頃からアイケアが必要な猫種を紹介いたします。ペルシャ猫やエキゾチックショートヘアなど、いわゆる『鼻ぺちゃ系』の猫達は元々鼻涙管が狭いという特徴を持っています。

その分生理的な目ヤニが出やすく、涙も多く出る傾向にあります。流れた涙が毛に残る『涙やけ』を予防する意味でも、コットンによるケアが欠かせません。子猫時代から習慣化し、ケアに慣れさせることが大切です。

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