猫に与えてはいけない『お正月の食べ物』5つ 誤食してしまったときの応急処置も

猫に与えてはいけない『お正月の食べ物』5つ 誤食してしまったときの応急処置も

新年を迎えると、お正月のおせち料理が食卓に並ぶご家庭も多いはず。しかし、正月料理の中には、猫が食べてはいけない食材も含まれています。今回は、正月に気をつけたい猫が食べたらいけないものを紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.かまぼこ

紅白かまぼこ

まず、気を付けてあげたいのが、かまぼこ。かまぼこは魚介のすり身を成型したものですが、猫にとって多くの塩分を含んでいます。人間には問題ない塩分量でも、猫の体の大きさに対しては多量であるため、与えることは避けましょう。

塩分以外でも、猫によっては魚に対してアレルギーを示す懸念もあるため、注意が必要です。

2.生の里芋

生の里芋

里芋の煮物などを作るとき、猫が生の里芋に近づかないよう気を配りましょう。

生の里芋にはシュウ酸カルシウムという成分が多く含まれています。里芋を調理しているとき、手が痒くなるのは、このシュウ酸カルシウムが原因です。

猫が摂取すると嘔吐や口内炎などを引き起こす恐れがあります。また、シュウ酸カルシウムが尿路結石のリスクを高める恐れもあります。シュウ酸カルシウムは加熱により分解されますが、そもそも猫は食物繊維やでん粉を多く含む里芋を食べるのに適していません。煮た里芋も与えるのは止めましょう。

3.生エビ

生のクルマエビ

猫は魚介を好むイメージがありますが、実は生えびも与えてはいけない食材のひとつ。生のエビには「チアミナーゼ」という酵素が含まれます。猫がチアミナーゼを摂取すると、体内のビタミンB1が消費されます。

大量もしくは長期的に与え続けると、ビタミンB1欠乏症となり、食欲不振や神経症状などを引き起こします。生エビの他にも生のカニやイカ、タコも同様に注意が必要です。

チアミナーゼは加熱により失活するので、茹でたり焼いたりすればビタミンB1の心配はなくなりますが、猫によっては魚介にアレルギーを持つこともあります。念のため、たくさん与えるのは避けましょう。

4.餅

餅

お正月料理を代表する食材である、お餅も取り扱いに注意すべきです。前提として、しっかり加熱した少量のお餅であれば、猫でも問題なく消化できます。

ただし注意したいのが、餅が喉に詰まるリスクです。人間でも、嚥下能力が低下した方を中心に、多くの方がこの時期に餅を喉に詰まらせていますよね。猫の場合でも、消化器官にお餅を詰まらせる可能性が十分考えられます。

たしかにお餅は正月の風物詩ではありますが、猫がお餅を食べるメリットはありません。喉に詰まらせるリスクも考慮するなら、与えない方が賢明でしょう。

5.日本酒

日本酒

猫に日本酒をはじめアルコール類は与えてはいけません。猫は人間のようにアルコールを肝臓で処理できないため、アルコール中毒を引き起こしてしまいます。

たとえ少量であっても、体が小さい猫にとっては中毒を起こすのに十分な量といえます。おめでたいからと、猫に酒を与えるのは絶対にNGです。

誤食してしまったときの応急処置について

動物病院で口の中を覗かれる猫

もしも、猫が誤食してしまった場合、基本的に家庭内での応急処置はNGです。

獣医学の知識を持たない方がむやみに吐かせるなどの応急処置を施すと、さらに事態が悪化する恐れがあります。

猫がお正月料理を食べてしまった場合は、家庭で何とかしようとせず、すみやかに動物病院に連絡しましょう。

まとめ

猫と鏡餅

お正月はめでたいからと、ついつい猫に正月料理を与えてしまう方も少なくありません。しかし、基本的に猫は人間の食べ物が苦手なので無理に与えるのはNGです。

今回紹介したもの以外でも、猫に与えてはいけない「お正月の食べ物」はたくさんあります。

基本的に猫には猫用フードやおやつ以外与えないよう注意しながら、楽しいお正月を過ごしてくださいね。

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