猫にとって危険な4つの『調味料』それぞれの危険性や誤食した際の対処法

猫にとって危険な4つの『調味料』それぞれの危険性や誤食した際の対処法

私たちの食生活に彩りを添える調味料。食材の味を引き立てたり、保存性を高めたりなど、さまざまな役割を持っています。しかし人間には安全で体に良くても、猫にとっては危険きわまりない調味料も存在します。今回は、身近にある猫にとって危険な調味料と誤食した際に生じる問題、対処法について紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.香辛料

猫と唐辛子

コショウや唐辛子をはじめとする香辛料は猫にとって刺激の強い調味料です。猫が口にすると胃腸障害をおこす可能性があります。香辛料の種類にもよりますが、たとえば次のような症状が見られます。

  • 下痢、嘔吐
  • 胃腸障害
  • 貧血
  • 血尿
  • 呼吸困難
  • 不整脈

とくに消化器官が未熟な12ヵ月未満の子猫や、消化器官が衰えている老猫には少量でも注意が必要です。

また成猫の場合は、少量ならば目に見える症状があらわれないことも多いです。しかし少量であっても胃腸の負担にはなりますし、日常的に与えれば慢性の内臓疾患を引き起こす原因にもなり得ます。

香辛料はソーセージなど見た目では入っていることがわかりにくい食べ物も多いため、知らずに食べさせてしまう可能性があります。愛猫の健康のためにも、人間の食べ物は与えないようにしましょう。

2.料理酒とみりん

みりんを加える

料理酒とみりんは、アルコールが含まれている調味料です。しかも料理酒はアルコール度数が13%前後、本みりんは14%前後と高めです。アルコールが分解できない猫にとっては大変危険な調味料のひとつと言えます。

猫がアルコールを飲んでしまった際のおもな症状は次のとおりです。

  • 嘔吐、下痢
  • 呼吸困難
  • 震え

猫はアルコールをひと口飲んだだけでも急性アルコール中毒を引きおこす危険性があります。摂取してから症状があらわれるまでは、お腹の空き具合や個体差にもよりますが、30分〜1時間程度と比較的短時間です。

重症化すると昏睡状態になり命を落とすこともあるため、取り扱いには十分に注意しましょう。猫の体重1㎏あたり5.6mlのアルコールを摂取すると、致死量に至るといわれています。個人差があり万が一概には言えませんが、少量でも命にかかわる場合もあります。口にしてしまった場合は、早急に動物病院を受診してください。

3.醤油などの塩分の多い調味料

お皿の上の塩分

猫の健康を守るために必要な成分として塩があげられます。ただし猫は私たち人間のように汗をかかないため、多くの塩分を必要としません。

ですから猫が醤油などの塩分が多く含まれている調味料を口にすると、少量であっても過剰摂取になってしまう可能性があります。

猫が塩分を過剰に摂取してしまった場合には、血中のナトリウム濃度が高くなる高ナトリウム血症や腎臓への負担が懸念されます。とくに慢性的な腎臓病を患っている猫は注意しましょう。

醤油などの塩分の多い調味料を口にしてしまったときは、動物病院への受診をおすすめします。

4.ソース、たれ、「◯◯の素」など

猫とにんにく

市販のソースやタレ、「◯◯の素」は簡単においしい食事が作れて便利ですよね。その一方でこれらの調味料には猫にとって危険な食材や添加物が含まれている可能性があるため取り扱いには注意が必要です。

味も濃く、塩分や糖分、香辛料も気になります。

ソースやたれ、「◯◯の素」など調味料の怖いところは、一見するとどんな材料が使われているのかがわかりにくいことです。安全のためにも人間用に味付けされているものは与えないようにしましょう。

万が一口にしてしまった場合は、獣医師に相談することをおすすめします。

まとめ

黒猫とスパイス

調味料によっては、猫の命にかかわる危険な成分が含まれているものもあります。そのため猫が調味料を口にしてしまったときは、基本的に動物病院の受診をおすすめします。吐かせない方が良いものもありますし、吐かせる処置自体が危険ですのでインターネットなどを調べて自宅で行うことはやめてください。

受診の際には「いつ、なにを、どれくらい」摂取したのか、摂取後にいつもと変わった様子はないかを伝えられるように準備をしておきましょう。可能ならば、口にしてしまった調味料を持参してください。

また日頃から調味料を誤って口にすることのないように取り扱いには十分に注意しましょう。

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