愛猫が突然攻撃的になる『激怒症候群』原因や症状、予防法を解説

愛猫が突然攻撃的になる『激怒症候群』原因や症状、予防法を解説

愛猫が何の前触れもなく急に怒って攻撃してくるようになったら、激怒症候群という病気かもしれません。激怒症候群とは一体何なのか、病気について現在わかっていることをご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

激怒症候群の症状・原因

手に噛みつく猫

猫が飼い主さんに嫌なことをされた時に怒って猫パンチをしたり、同居猫とケンカになった時に引っ掻いてしまったりすることは珍しくないですよね。

しかしきっかけや前触れがなく急に激怒して攻撃的になる場合は、「激怒症候群」という病気の症状かもしれません。

激怒症候群は「突発性攻撃行動」とも呼ばれており、1990年代後半に犬に発症が確認され、ここ数年で猫にも発症することが判明したそうです。

症例が少なく新しい病気のため、現段階ではわかっていないことが多いとのこと。

原因もはっきりとはわかっていませんが、犬の激怒症候群はてんかんの発作が関係しているとも考えられているため、猫もてんかんの影響があるのではないかと考えられています。

また犬は3歳未満で発症するケースが多いため、猫も同様に若い時期に発症しやすいという説が濃厚です。

激怒症候群の予防法・治療法

病院で診察を受ける猫

激怒症候群の原因とされているてんかんの発作は、脳神経系の異常により起こります。脳神経系の異常は生まれつきの体質のようなものなので、残念ながら明確な予防法や根本的な治療法はありません。

愛猫に激怒症候群の疑いがある場合は、まず動物病院でカウンセリングや検査を受けましょう。

カウンセリングでは、愛猫が攻撃的になった時の状況や前後の様子を説明することで、激怒症候群の可能性が高いかどうかを探り、検査によっててんかんかどうかを調べます。

検査でてんかんであることが判明したら、投薬で発作を抑えながら生活することになります。

てんかんに根本的な治療法がない以上、激怒症候群も完治する病気ではありません。定期的に病院に通いながら投薬を続け、病気と上手に付き合っていくことが大切です。

まとめ

激怒する猫

愛猫が突然攻撃的になったら、飼い主さんも大きなショックを受けることでしょう。しかし激怒症候群は脳の異常による病気と考えられているため、決して愛猫の性格や飼い主さんの育て方が問題だったわけではありません。

激しい怒りや攻撃性を制御できないのは愛猫本人に負担がかかるうえに、飼い主さんや同居しているペットがケガをしてしまうリスクも高いです。

もしも愛猫が急に攻撃的になることに悩んだ時には、ひとりで悩んだり何とかしようとしたりせずに、まずは獣医師に相談してみてくださいね。

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