愛猫の「お散歩」は基本的にNG!外に連れ出す3つのリスクを解説

愛猫の「お散歩」は基本的にNG!外に連れ出す3つのリスクを解説

猫に散歩って必要なの?散歩する猫を見てそんな疑問を抱く飼い主さんもいらっしゃるようですが、基本的には「不要」です。猫の散歩にはさまざまなリスクがあるからです。そもそも猫は習性的にも散歩は不要なのです。猫を散歩させるリスクと不要な理由について紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.逃げられる、自宅から脱走されるリスクがある

座っている長毛の猫

どんなに対策をしても、散歩中に猫に逃げられるリスクをゼロにすることはできません。

体をしっかりと覆うハーネスを使用していても油断は禁物。体のやわらかい猫にとっては、ハーネスを抜け出すのは朝飯前なのです。少しでもゆるいと簡単に抜け出してしまうという猫もいます。

また散歩に慣れていない猫が、聞き慣れない大きな音などに驚いて逃げてしまう事故も起きています。

一方で散歩に慣れている猫は、外に出ることに躊躇(ちゅうちょ)がないため、脱走リスクが高くなるでしょう。脱走のリスクが高いということは、交通事故などの危険な目に遭う可能性も高くなるということでもあります。

2.感染症などの病気や怪我のリスクがある

包帯を巻いた猫の足

散歩をする猫は必然的に病気やケガのリスクも高くなるでしょう。直接ほかの猫と接触しなくても排泄物や昆虫などの媒介する生き物を介して感染する可能性もありますし、逃げ出した際にほかの猫とケンカして病気をもらう、怪我をするといったリスクもあります。

また交通事故に遭う、危険なものを踏む、狭い場所に入り込んで動けなくなるといったこともおきています。家の外には私たちが思っている以上にたくさんの危険があるのです。

外には、猫にとって中毒を引き起こす危険な植物も。たとえば私たちの身近にあるユリ科の植物、チューリップ、アジサイ、キキョウなども猫にとっては大変危険な植物です。

3.ノミ・ダニなどの寄生虫の感染リスクがある

首元を掻く猫

ノミ・ダニに寄生されるリスクも忘れてはいけません。ノミ・ダニは人間にも害をおよぼします。近年はマダニを介した「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」など命にかかわる病気への感染リスクも懸念されます。

また蚊が出現する時期はフィラリアの感染にも注意が必要です。

寄生虫のほかにも、蜂や蛇など毒を持った動物に刺されたり、噛まれたりするリスクもあるでしょう。

猫にとって散歩は本当に不要なの?

草の上で休む猫

さてここまで猫を散歩させるリスクについてお話をしてきましたが、猫にとって散歩は本当に不要なのでしょうか?

猫の散歩については賛否両論ありますが、室内でも環境さえ整っていれば散歩をする必要はありません。

もともと猫は待ち伏せ型の狩り(木の上で待ち伏せする)をしていた動物です。そのため犬のように地面を歩き回るような運動は必要ないとされています。その代わり、キャットタワーを設置するなど上下運動ができる環境を必要とします。

また猫は安全かどうかわからない縄張りの外に出ることに対して不安を感じると言われています。猫にとって十分な食事と安心して休める場所、きれいなトイレがあれば、家の中(飼い猫にとっての縄張り)だけでも快適かつ楽しく暮らせます。

犬とは習性の違う生き物である猫には散歩以外の方法で、室内で発散できる方法を考えてあげると良いでしょう。

猫にとって外の世界にはさまざまなリスクがあります。猫の習性的にも、安全性の面からも散歩は不要です。

まとめ

散歩中の猫

猫にとって散歩は「逃げる、病気、怪我、寄生虫」など多くのリスクがあります。もちろんメリットもありますが、デメリットを上回ることは考えにくいでしょう。

また猫は縄張り意識の強い動物です。縄張りの外に出ることで大きなストレスを感じる猫もいます。散歩に連れ出すよりも縄張りである家のなかで不自由なく快適に暮らせるように環境を整えてあげましょう。

猫の安全のためにも完全室内飼育を推奨します。

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