愛猫の「環境エンリッチメント」のアイディア5選 猫の生態にあった暮らしを提供するために

愛猫の「環境エンリッチメント」のアイディア5選 猫の生態にあった暮らしを提供するために

動物の本能を刺激するような環境をつくる「環境エンリッチメント」。動物園業界では長い間環境エンリッチメントについて考えられていますが、近年では身近なペットたちにもその考え方が浸透してきました。とはいえ「猫の環境エンリッチメントってなに?」と思う飼い主さんがほとんどでしょう。そこで今回は、猫に提供したい「環境エンリッチメント」のアイディア5つを紹介します!環境エンリッチメントに興味がある人・愛猫の本能を刺激するような環境づくりをしたい飼い主さん必見です!

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

環境エンリッチメントとは

2頭のライオン

環境エンリッチメントとは、「動物福祉の立場から、飼育動物の幸福な暮らしを実現するための具体的な方策」のこと。つまり、その動物の生態(本能や特性)を活かせる環境を用意してあげることです。

野生動物を飼育する動物園では「環境エンリッチメント」はとても重視され、常同行動(※1)がみられない、動物にとって最適な環境を用意する取り組みが行われています。

環境エンリッチメントは、空間・採食・社会・感覚・認知の5つに分類が分かれており、さまざまな工夫を凝らして「猫の生態にあった暮らし」を提供する飼い主さんも増えています。

※1常同行動:動物の本能が刺激されずにストレスが溜まることで、同じ動作を繰り返す行動(同じ場所をぐるぐる回ったりする)

愛猫の環境エンリッチメントのアイディア5選

キャットタワーから降りる猫

1.キャットタワーを用意する

猫は野生で生きているとき、高い木に登り外敵から身を守ったり、休息の場所としていました。そのため、猫が過ごす部屋にはキャットタワーやキャットウォークなどの上下運動できるグッズを置いてあげましょう。

広いスペースは必要としませんし、設置場所を工夫すれば猫も窓の外を見ることができます。「空間」づくりのアイディアの1つとして活用してみてください!

2.おもちゃを捕まえさせてからおやつを与える

猫は狩りで獲物を捕まえる動物なので、自宅でも疑似的な狩りをさせてあげてください。たとえばネズミのおもちゃを飼い主が動かし猫に捕まえさせて、捕まえたらすぐにおやつを渡すことで「採食」行為を促せます!

おやつは基本的に手渡しという家庭がほとんどかと思いますが、環境エンリッチメントを重視するなら、おやつのあげ方にもひと工夫してみてください。

3.音のなるおもちゃ・においつきのおもちゃを用意する

猫は嗅覚や聴覚が優れているので、音付きおもちゃやニオイ付きおもちゃは猫にとっても刺激的。これらを使って、猫の「感覚」を研ぎ澄まさせてあげましょう!

猫がおもちゃに興味をもったら、あえて隠して猫に探させてみるのが上手な遊び方です。

4.知育トイをつかっておやつを与える

知育トイも猫の環境エンリッチメントに効果的です。

知育トイというのは、猫の考える能力を刺激するようなおもちゃのこと。たとえば、所々小さな穴が開いたボールの中に、フードを入れて遊ぶおもちゃなどがあります。

転がしたり持ち上げたりして上手にフードを出さないと食べることができないので、猫は頭をフル回転させなければいけません。日常をなんとなく過ごしていてもなかなか脳を刺激されることはないので、こういったおもちゃをつかって猫の本来の「感覚」を刺激してあげてください。

5.隠れ家を用意する

猫にはすっぽり体が入るくらいの、狭くて暗い箱やテントを用意してあげるとベター。

猫は野生で生きていたころ、狭い洞穴や岩の隙間で休んでいました。そのため猫が過ごす部屋には猫の隠れ家となるアイテムを設置しておくと、猫は落ち着いて過ごすことができます。

まとめ

猫の横顔

環境エンリッチメントは、動物それぞれの本能や特性を活かした環境づくりのこと。近年はペットに対してもこの考えが浸透しており、さまざまな工夫を凝らして愛猫に最適な環境を用意する飼い主も増えています。

飼い猫も、先祖は野生のヤマネコでした。そのため野生の本能は残っており、そういった本能を刺激するような環境は猫にとってストレスなく過ごしやすいものです。

すぐに今の生活環境を一転させることは難しいかもしれませんが、今回紹介したアイディアのなかで始められそうなものがあればぜひ実践してみてくださいね。

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