猫の目を守る「瞬膜」の秘密とは
猫の目には、「瞬膜」と呼ばれる白い膜の形状をした部位があります。人間の目にはない部位ではありますが、この瞬膜は猫の目の機能において欠かせない大切な部位のひとつでもあるのです。瞬膜は人間の目でいうところの「まぶた」と似たような働きをし、別名「第三のまぶた」とも呼ばれています。
今回はそんな瞬膜に隠された秘密について解説します。
1.ゴミから目を守る
猫の目の中に小さなゴミが止まってしまうと、眼球が傷ついてしまったり、ゴミについている細菌がきっかけで感染症になってしまう恐れもあります。そのようなゴミが目に極力入らないように防ぐのが、瞬膜の役目のひとつでもあります。
猫の目は、瞬きした際に瞬膜が眼球の表面を拭うような仕組みになっています。この機能で、小さなゴミが目に入っても瞬膜によって除去されるようになっているのです。
2.ウイルスや細菌から目を守る
瞬膜の表面には「リンパ濾胞」と呼ばれる物質がついています。このリンパ濾胞は目の免疫に関わっており、目についた細菌やウイルスなどから目を守る役割を持っているのです。
瞬きをする度に、あらゆるウイルスや細菌が原因となる病気の予防をしてくれている瞬膜。目の保護に絶対的に欠かせない器官といえますね。
3.眼球の乾燥防止
猫の目も人間と同じで、涙を分泌することによって眼球を乾燥から守っています。
瞬膜はこの涙の分泌にも欠かせない器官なのです。猫が分泌する涙のうちの約4分の1以上は瞬膜腺から出ているため、瞬膜は乾燥からも目を守ってくれているといえるでしょう。
瞬膜に関する病気も覚えておこう!
上記の通り、猫にとってはとても大切な部位である瞬膜ですが、実は猫の体調や状況によっては、この瞬膜が目の縁からはみ出している時があります。
特に、眠っている時や寝起きだと、瞬膜が見え隠れしてまるで白目を剥いているような状態になることもあるのです。
白目を剥いた状態を見てびっくりする人もいるかもしれませんが、これは猫にとってはよくある現象のひとつなので、そこまで深く心配する必要はありません。
ただし、目の縁から見え隠れしている瞬膜が赤く腫れていたり、いつまで経っても飛び出たままで目の縁に戻らなかったりする場合は、なんらかの病気にかかっている可能性もあるため要注意です。
「結膜炎」や「角膜潰瘍」など目の表面の病気、「ホルネル症候群」といった神経の病気や「チェリーアイ」など瞬膜腺の異常など、目自体の病気はもちろん、全身疾患で具合が悪い時も瞬膜が出たままになることがあります。愛猫の瞬膜に違和感を感じた場合は、できるだけ早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。
まとめ
猫の瞬膜は日頃は隠れていることが多い器官のため、目立つような部位ではありません。
しかし、今回ご紹介したように、実は猫の目の健康を守るためのさまざまな役割が瞬膜にはあるのです。
もし瞬膜に少しでも異変が見られる場合は、できるだけ早くかかりつけの獣医さんに相談し、愛猫の目の健康を守っていくようにしましょう。