1.見晴らしがよいから
高い場所に登ると周囲に障害物が少なくなり、見晴らしがよくなります。室内飼いの猫であればさほど気にしなくても大丈夫でしょうが、野良猫となると、常に周りの状況に気を配らなければいけません。そのため、高いところに登り、周囲を観察しているというわけです。
また、見晴らしがよい場所にいると、獲物を見つけやすいというメリットもあります。鳥や小動物などを目ざとく捉え、襲うのに役立つのです。家猫でも、高い場所から窓の外を見て、獲物をじっと見つめる場合があります。
飼い主さんの監視にも、うってつけ。視線を感じると思ったら、愛猫の鋭い目が向けられているかもしれません。
2.敵に見つかりにくい
カラスや猛禽類など、高いところにいる敵は別として、地上に生息する敵であれば、高いところにいれば猫は見つかりにくいです。息をじっと潜めて木などの上にいれば、安全を確保できます。猫は気配を消すのが得意ですから、そのつもりで隠れていればほぼ、見つかることはないでしょう。
高い場所は、猫が休憩したり睡眠をとったりするのには適しています。猫の祖先は木の上で生活していた、ともいわれています。その名残りもあるのでしょう。
3.自分が上だと主張するため
猫は、『自分の方が立場が上ということを主張するために高いところへ登る』ともいわれています。人間界でもよく見かける、「マウント」の意味があるのでしょう。より高い場所に登れる方が強く、能力が高いと示していると考えられます。
もし愛猫が高いところから飼い主さんを見下ろしていたら、「自分の方が偉いにゃん」と主張しているのかもしれません。でもそれに、ムッとする飼い主さんは少ないのではないでしょうか。筆者はたとえ愛猫にマウントをとられたとしても、喜んで下僕臭を漂わせる自信があります!
4.ノミやダニが少ない
高い場所には、猫に寄生する厄介な存在のノミやダニが少ない、という理由も考えられます。高所にはさすがのノミやダニも、登ってこないからでしょう。高い場所にいればそれらに寄生されにくいため、猫は高い場所に好んで登るというわけです。
ノミやダニが付くのは、何も屋外だけではありません。家の中にいても、外から持ち込まれて寄生されてしまう可能性があるため、十分注意が必要です。
高くて危険な場所の対策
猫は登るのは得意なのですが、なぜか降りるのが苦手、という不思議な習性があります。これには、爪の構造が関係しているようです。湾曲した爪の形は、高い場所へ登るのには適していても、降りるのには適さないのです。
もし高い場所から降りるとなるとジャンプが有効ですが、あまりに高いとそれも危険。気がついたら登りすぎていて、立ち往生してしまう、というわけです。
家の中でも、そうなる可能性はゼロではありません。あらかじめ、愛猫が自力で降りられなさそうな場所へは登れないよう、ガードをしておきましょう。もしくは、階段やステップをつけるのも対策となります。
猫は高いところから落ちても大丈夫、という都市伝説がありますが、過信は危険です。もちろん、うまく着地できる場合もなくはないでしょう。ですが万が一失敗すると、骨折や最悪の場合、命の危険すらあるのです。
まとめ
個体差はありますが、猫はとにかく高いところが大好きで、ついつい登ってしまうようです。
そんな高い場所が大好きな愛猫のために、家の中に最低でも一か所は安全に登れる高い場所を用意してあげましょう。愛猫に適した高さのキャットタワーなどが最適です。