猫が『おしりを舐める』理由4つ!危険な場合の見分け方も

猫が『おしりを舐める』理由4つ!危険な場合の見分け方も

猫が時々おしりを気にして、舐めている。そうした様子を目にしたことがある飼い主さんもいるはず。実はこの状態をあまり放置するのは好ましくありません。今回は猫がおしりを舐める理由を解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.グルーミング

おしりを毛繕いする猫

猫がおしりを舐める理由としてまず挙げられるのが、グルーミングの一環としての仕草ということです。

猫のグルーミングは、舐めることで毛並みなどを整えると同時に、臭いや汚れを取り除く行動です。グルーミングの範囲は広く、足や胴体の他におしりも含まれます。

グルーミング自体は猫本来の習性で、とくに問題のある行動ではありません。回数が多いと他の原因が怪しまれますが、時々であればこのグルーミングである可能性が高いです。

2.肛門嚢に分泌物が溜まっている

おしりをなめようとする猫

続いて考えられるのが、肛門嚢(肛門腺)に分泌物が溜まっている状態です。

肛門嚢とは、マーキングなどに用いられる分泌物を蓄積しておく袋状の器官を差します。本来はマーキング時、もしくは排泄と同時に分泌されていきます。

猫は元々肛門嚢が溜まりにくいと言われていますが、実は個体差があり、絶対に大丈夫という訳ではありません。中には、分泌液がドロッとして出しにくかったりする猫もいます。

他にも、下痢などをキッカケに分泌する穴が塞がってしまうケースもあります。

猫が執拗におしりを舐めたり、ずりずり擦って歩いているときは肛門嚢が溜まっている可能性を疑いましょう。

3.おしりをケガしている

おしりをなめようとする猫

おしりにケガがある場合も、猫はおしり周辺を舐めようとします。

猫のおしり周りはデリケートなので、何かの拍子でケガをしてしまうケースもあります。

猫がおしりを気にする素振りが目立つようであれば、おしりの状態を目視でも確認しましょう。

4.かゆい

おしりを毛繕いする猫

おしり周辺にかゆみを感じている場合も、猫がおしりを舐める原因です。猫がおしりにかゆみを感じる原因は様々。うんちが付着している他に寄生虫などが発生しているケースもあげられます。

特に寄生虫である条虫がいる場合は早めの対応が重要です。排泄物に白いひも状の異物が混ざりこんでいないか、普段からチェックしておきましょう。

危険な場合の見分け方

猫と獣医師

猫がおしりを舐める場合に危険なのは、回数が多いときです。時々目にするくらいであればグルーミングの可能性が高いですが、いつも舐めているという場合は何かしらの異常が発生している疑いがあります。

可能性として一番高いのは肛門嚢のトラブルです。ですので、おしりを確認してもし肛門腺がたまっていて飼い主さんでしぼれそうだったらいいですが、慣れていない方は、無理せず動物病院に相談するのもよいでしょう。

もし肛門嚢しぼりでも改善しない場合は、何かしらの病気が隠れているかもしれません。

まとめ

おしりを毛繕いする猫

今回は、猫が「おしりを舐める」理由について解説いたしました。

猫と暮らしていればとくに珍しくはない、なにげない仕草ではありますが、実は危険な状態の場合もあります。

今回の記事を参考に、猫のおしり周りの異常にいち早く気付いて対応してあげられるように配慮したいですね。

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