1.極端にフード量を減らす
「ダイエットするなら、摂取カロリーを減らさなければ!!」と急激に愛猫に与えるフード量を減らす行為…。コレは絶対NG行為です。実は、量を減らしたからといって、必ずしも脂肪だけが減少する訳ではありません。方法によっては脂肪と一緒に筋肉も減ってしまうのです。
さらに、猫はなぜ急にご飯の量が減らされたのかが理解できず、混乱したりフラストレーションをためるでしょう。「足りない…もっとちょうだい!」とアピールしてももらえないと、イライラするかもしれません。
また猫は、わずか数日でも極端に摂取カロリーが足りないと、急激に肝臓に脂肪が蓄積される「肝リピドーシス(脂肪肝)」という病気になる可能性があります。重症だと命に関わる場合もある上、肥満の猫はなりやすいので注意が必要です。ご飯をダイエット食に替えたらそれが気に入らず食べないときは、「痩せるからちょうどいいね」などと思わずに猫がきちんと食べてくれるご飯を用意しましょう。
またフード量を極端に減らすと、カロリーだけではなく摂取する必要のある栄養素が足りなくなってしまうことも。健康を害してしまっては元も子もありませんので、フードを減らす量には十分注意する必要があるのです。
2.回数を減らしてドカ食いになってしまう
「与えるご飯の量を減らそうと食事回数を減らしたら、その分1回の食事でドカ食いするようになった…」というのもよくありません。
空腹でガツガツと食べることにより、吐き戻してしまう可能性が増すかもしれません。また、血糖値の急激な変動は体によくありません。
猫はもともと少量の食事を何回も食べる動物なので、回数を減らすのではなく、ダイエット用フードに変更したり1回の量を少しずつ減らして与えたりした方が、安全かつ猫にストレスを与えずにダイエットができるでしょう。詳しくは、かかりつけの獣医師に相談してください。
3.急におやつをなくしてストレスを与える
「ダイエットの敵といえば『おやつ』!」とおやつを目の敵にして、これまで与えていたのに一切与えないようにする…。これも絶対NG行為に該当します。
人ならば、「食べると太るからよくない」と欲求をストップできるかもしれませんが、猫は分かりません。おやつを楽しみにしていたのに急におやつをもらえなくなれば、ストレスを抱えてしまうでしょう。
かといって、これまで通りに与えていると、いつまで経ってもダイエットできないでしょう。そんなときはおやつの量を少しずつ減らしたり、カロリーが低いおやつに切り替えましょう。普段もらっているフードが大好きな子であれば、フードを何粒かおやつとして与えるのもいいですね。
おやつ(副食)はもともと、どんなに多くても一日の総摂取カロリーの10~20%におさえるものですが、ダイエット中であればおやつはもっと少ない量に設定するとよいでしょう。
愛猫がストレスを感じずに、ダイエットを継続できる状況作りを心がけましょう。
4.過度に運動させる
愛猫の体重を減らそうと、過度な運動をさせるのもNGです。そもそも猫が気乗りしないと体を動かそうとしないかもしれませんが、無理強いをするのは避けましょう。無理に運動をさせると、猫の関節に過度な負担がかかり、痛めてしまう可能性があります。
ただ、適度な運動は必要なので、愛猫の気持ちを尊重しつつ、遊びに誘ってみましょう。肥満だとよけいに体を動かしたがらない場合がありますが、興味を持ってくれるおもちゃや遊び方を模索し、毎日少しでもよいので愛猫の消費カロリーを増やしてあげてください。
5.結果を焦る
猫のダイエットは、時間をかけて行うものです。結果を焦って性急すぎるダイエットを行うと、猫の体に悪影響を及ぼします。獣医師と相談しながら、数か月~年単位でのダイエット計画を立てましょう。一般的には、1か月で体重の2~6%が減れば大成功です。
焦ってダイエットさせようとしても、結果的に失敗に終わってしまうことが多いでしょう。具体的な目標を数値で決め、1週間に1回など定期的に体重を量りながら成果を確認しましょう。
まとめ
猫のダイエットは、焦らずじっくりと、そしてなるべく猫に負担をかけないようにスローペースで行うものです。
そして必ず必要なのが、かかりつけの獣医師に相談しながら行うことです。愛猫にストレスをかけないだけではなく、健康に悪影響を及ぼさないように、そして栄養不足にもならないように注意する必要があるからです。
ダイエットをしなくてすむように、愛猫を過剰に太らせないようにしてあげることも大切ですね。そのためには、愛猫から可愛いくおねだりされても、普段から食べ物の与えすぎには気をつける必要があります。