愛猫の「ご飯」を見直すべきタイミング
猫の栄養源となるキャットフード。実は、いくつか見直すべきタイミングがあるのです。
今回は、愛猫の「ご飯」を変えるきっかけとなるタイミングを紹介いたします。
1.子猫から成猫になるとき
離乳食を卒業した子猫は、子猫用の総合栄養食を食べるようになります。子猫用のご飯の特徴は、何よりも栄養価が高いこと。成長に必要な栄養を、少量の食事から効率よく摂取できるようになっています。
猫が生きるうえで最初に訪れるご飯の切り替え時期は、生後6〜12ヶ月頃です。身体がオトナに近づきつつあるこのタイミングで、成猫用の総合栄養食に少しずつ移行します。
成猫は子猫よりも食べられる量が増えるため、子猫用のご飯ではカロリーオーバーになってしまいます。そこでカロリーはやや控えめに、必要な栄養素はしっかり取れるように作られた成猫用のご飯に変更する必要があるのです。
2.シニアになり食が細くなった頃
若い頃はガツガツと食べていた食いしん坊さんでも、シニアになると食が細くなります。ここでもまた、従来のものからシニア用の総合栄養食に切り替えるタイミングがやってきます。
シニア向けのご飯は子猫用のフードと同様に、少ない量で必要な栄養を確保できるようにカロリーが高めになっています。
さらに20歳近い年齢ないしは、それを超える年齢になったタイミングでは、ハイカロリーな介護食などの選択肢も登場します。ペースト状になっているので、舐めるだけで食べることができるように工夫されています。
3.不妊手術後の肥満対策として
将来的に繁殖を望まない場合、性別を問わず不妊手術を受けることが推奨されます。この手術によって、子宮や卵巣の疾患、乳がんや精巣がんなどの発症を予防することができます。
その一方でホルモンバランスに変化が生じ、基礎代謝が落ちることから肥満になるリスクが出てきます。
そこで抜糸後から、「高タンパク・低カロリー・低脂肪」などに設計された避妊去勢後用の「総合栄養食」に切り替えることを検討してみると良いでしょう。
4.獣医さんから療法食の指示が出た時
猫に多い尿路結石のひとつであるストルバイト結石や腎臓病、糖尿病などの疾患では、「療法食」の指示が出ることがあります。
療法食は、その疾患に対して抑えるべき成分や、補わなければならない成分が調整されたご飯です。
こちらはあくまでも処方が必要なもので、健康な猫が食べると栄養不足や栄養過多になってしまいます。獣医さんから指示が出た場合のみ切り替えてください。
5.食物アレルギーが疑わしい時
猫にも食物アレルギーが存在します。身体を痒がる・嘔吐や下痢の症状がある・慢性的な皮膚炎があるなどの症状がある場合は、診察を受けてください。
診断結果によっては、アレルゲン(原因物質)を含まないフードに変更することがあります。そのため、食物アレルギーが疑わしい場合もご飯の見直しが必要になってきます。
合わないご飯を食べているどうなる?
愛猫のライフステージや健康状態に合わないご飯を続けていると、どうなってしまうのでしょうか?
ここからは、合わないご飯を食べていると起こり得るリスクを簡単に紹介いたします。
肥満になる
成猫が子猫用のご飯を続けた場合や、不妊手術後(抜糸後)の猫が食欲旺盛になった場合などは、肥満になる恐れがあります。
栄養不足
食が細くなった高齢猫が通常の総合栄養食を続けた場合は、効率よくカロリーを取ることができずに栄養不足に陥ります。
食物アレルギーが悪化する
アレルゲンとなる食品を取り続けた場合は、特定の症状が改善されなかったり、悪化したりする可能性があります。
まとめ
今回は、愛猫の「ご飯」を見直すべきタイミングについて解説いたしました。
「ご飯」を見直すべきタイミングの多くを占めるのが、「ライフステージの変化」です。その都度年齢に応じたフードに切り替えることで、より良い健康状態をキープすることができます。
逆に、合わないご飯を続けてしまうと、肥満や栄養不足などの不調を招くことになってしまいます。キャットフードのパッケージには「成猫用」や「〇歳からの」などの記載があるので、愛猫の年齢に合ったものを選びましょう。
最後に、それぞれのライフステージにおいて、ご飯を見直すべき時期は個体差によって異なります。ワクチン接種などの機会を活用して、獣医さんに相談すると安心です。