猫と一緒に食べられる「夏野菜」
猫と一緒に食べられる「夏野菜」には、どのような種類の野菜があるのでしょうか。
1.トマト
トマトには、「リコピン」という抗酸化作用がある成分が豊富に含まれています。リコピンは、活性酸素を除去したり、慢性疾患のリスクを下げたりすると言われています。
しかし、熟していないトマトには有毒な成分が含まれているので、必ず熟したものを与えるようにしましょう。
また、消化されにくい皮と種を取り除いて細かくして与える必要があります。トマトは加熱すると、リコピンの吸収がよくなります。
2.キュウリ
キュウリは、ほとんどが水分でできている低カロリーな夏野菜です。
生で与えることができ、食感を楽しむ猫もいます。千切りにしたり細かく刻んだりして与えます。
3.ゴーヤ
ゴーヤは、ビタミンC、鉄分、カルシウム、食物繊維などが豊富に含まれています。生のままでは消化不良の心配があるので、加熱したものを与えます。
ワタを取り除き、よくゆでたものを細かく刻んで与えましょう。
ゴーヤの苦味を嫌がって泡を吹いてしまうことがありますが、毒ではありません。とはいえ、嫌がるなら与えないようにしましょう。
4.キャベツ
キャベツは、ビタミンU、カルシウムが豊富です。大量に長期的に与えると、尿結石になるおそれがあります。ゆでたものを細かく刻んで与えましょう。
5.レタス
レタスは、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウム、食物繊維などがバランスよく含まれています。生で与えることができます。細かく刻んで与えましょう。
6.ジャガイモ
ジャガイモは、ビタミンC、ビタミンB、カリウムなどが豊富です。芽や緑色になった皮には毒素が含まれているので、その部分はしっかり取り除いてください。加熱して小さくして与えましょう。
7.トウモロコシ
トウモロコシは、ビタミンB、ビタミンE、カリウム、カルシウム、マグネシウム、などを含んでいます。粒のままだと胃腸に負担になるので、加熱した後に細かく刻んだり、ペースト状にしたりして与えましょう。
なお、穀物アレルギーのある猫には与えないでください。
猫に「夏野菜」を与えるときに気をつけるべきこととは
猫と一緒に食べられる「夏野菜」がある一方、気を付けるべきこともあります。くれぐれも間違った与え方をしないよう、注意しましょう。
猫に与えてはいけない夏野菜がある
タマネギ、ネギ、ニラ、ラッキョウ、ニンニクなどネギ類には、猫が中毒を起こす成分が含まれています。
これらの野菜を猫に与えてしまうと、元気がなくなる、食欲がなくなる、血尿がでる、重症の場合は貧血でぐったりするなどの症状が出ます。猫によって中毒が起こる摂取量は異なり、ほんのわずか食べただけで症状が出る猫もいます。なお、この成分は加熱してもなくなりません。
味付けは不要
人が食べるような味付けをしたものを猫に与えると、塩分など過剰摂取となり、健康に悪影響を与えてしまう場合があります。
一緒に食べられるとはいっても、猫に与える場合は味付け無しのものを与えましょう。
無理に与える必要はない
猫が夏野菜を食べることで、ビタミンや食物繊維などの栄養が摂れ、皮膚の健康や便秘解消などの効果が期待できますが、「栄養を補う」くらいに考えておきましょう。たくさん食べたからといって、必ず健康になれるわけではありません。
逆に、消化不良による嘔吐下痢、ミネラル過多による尿路結石など悪い影響が出ることも考えられます。
また、猫に夏野菜を与えるときは、猫の一口くらいの少量をときどき与えるようにしましょう。さらに、治療中の猫に与えるときは、事前に獣医師に確認をしてください。
なお、猫が食べたがらない場合は、無理に食べさせる必要はありません。猫に対して夏野菜を大量に長期的に与えると、体調不良の原因となる場合もあるので注意しましょう。
猫の体調が悪くなったら動物病院を受診する
猫によっては、食べた夏野菜が原因でアレルギー症状が出る場合があります。猫に初めて夏野菜を与えたときは、体調に変化がないかしばらく観察が必要です。
下痢、嘔吐、かゆみなどの症状が出るなどいつもと違うと感じたら動物病院を受診しましょう。
まとめ
猫と一緒に食べられる「夏野菜」には、トマト、キュウリ、ゴーヤなどがあります。
猫の消化管は野菜の消化が得意ではないので、塊のまま与えると消化不良や腸閉塞などを起こすこともあります。与える場合は猫用に下処理をし、しっかり細かく刻んだものを用意して、愛猫と一緒に夏野菜を楽しんでみてはいかがでしょう。